6GHz帯を使う「Wi-Fi 6」として「Wi-Fi 6E」規格が登場:規制当局の承認後、製品が続々登場
Wi-Fi Allianceは、6GHz周波数帯に対応する「Wi-Fi 6」デバイスを指す新規格「Wi-Fi 6E」を発表した。従来のWi-Fi 6を拡張した形だ。
無線LAN業界団体のWi-Fi Allianceは、2020年1月3日(米国時間)、6GHzの周波数帯に対応する「Wi-Fi 6」の拡張規格「Wi-Fi 6E」を発表した。
Wi-Fi 6は、2.4GHz帯と5GHz帯を使う無線LAN仕様「IEEE 802.11ax」の別名。Wi-Fi 6Eで新たに利用する6GHz帯は、近いうちに世界各国の規制当局が開放すると予想される、免許不要の周波数帯の重要な部分だと、Wi-Fi Allianceは述べている。
Wi-Fi 6E対応をうたうデバイスでは、6GHz帯で高パフォーマンス、低レイテンシ、高データレートといった利点を享受できる。Wi-Fi Allianceによると、規制当局から6GHz帯の使用承認が下りた後、Wi-Fi 6Eデバイスが迅速に提供される見通しだ。現在、Wi-Fi Allianceは、Wi-Fi 6Eデバイスの相互運用性テストを開発中だ。
既存のWi-Fiは、IoT(Internet of Things)の基盤技術としても認識されており、通信ネットワークサービスの革新である5G(第5世代移動通信システム)を補完し、世界経済に大きく貢献する。今回加わる6GHz帯は、既にWi-Fiが動作している5GHz帯に隣接していること、より広いチャネルサイズについて可用性が高いこと、従来のWi-Fi 4(IEEE 802.11n)やWi-Fi 5(IEEE 802.11ac)対応デバイスとの干渉が少ない周波数帯をクリアするアクセス性があることから、Wi-Fiの継続的な成長を促進するのに適している。
IDCのリサーチディレクターを務めるフィル・ソリス氏は、次のように述べている。
「規制当局が6GHz帯を開放すれば、企業は対応製品を積極的に投入するだろう。免許不要の6GHz帯が顧客にもたらす大きな価値を理解しているからだ。2020年の早い時期に6GHz帯が利用可能になれば、この周波数帯での動作をサポートする製品のリリースに一気に弾みがつくだろう。6GHz帯のキャパシティーは非常に大きく、Wi-Fi 6以降のバージョンのWi-Fiで効率的に使われるようになる。6GHz帯市場は米国が大きく先行し、欧州やアジア太平洋地域でも、この周波数帯の利用が進むだろう」
消費者向け製品が先行するか
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