フリーランス人材は今どんな状況か INTLOOPがアンケート結果を発表:「全く仕事がない」は19%、一方で仕事が増えた人も
INTLOOPが実施した「フリーランス人材への新型コロナウイルス感染症の影響アンケート」によると、仕事量が減ったと回答した割合は、仕事内容が変更になった人の85%。仕事が全くなくなった人は19%に及んだ。
INTLOOPは2020年4月8日、「フリーランス人材への新型コロナウイルス感染症の影響アンケート」の結果を発表した。同社が運営する、フリーランス向け案件紹介サービス「High Performer」と「Tech Stock」に登録する2922人を対象に新型コロナウイルス感染症のフリーランスの仕事への影響を調べた。
「収入が減った」75%
「現在の仕事への新型コロナウイルス感染症の影響の有無」を聞いたところ、「影響がある」と回答した割合は77%。影響の内容については、「仕事を行う環境が変わった(リモートワークなどの実施)」や、「開始時期、契約期間、業務内容など仕事内容が変更となった」「決定していた仕事がなくなった」といった回答が多かった。
決定していた仕事がなくなった、または仕事内容が変更になったと答えた人に具体的な仕事量の変化を聞いたところ、「増えた」と回答した割合は15%あったが、多くは減っていた。「1割程度減少した」と回答した割合は20%、「3割程度減少」は18%、「半減」は17%、「8割程度減少」は11%で、「全く仕事がない」と回答した割合は19%もあった。
契約金額が変更になったと答えた人に現在の収入の状況を尋ねると、「収入が減った」と回答した割合は75%に及んだ。具体的には、「1割程度減少した」と回答した割合は20%、「3割程度減少」は22%、「半減」は11%、「8割程度減少」は6%、「まったく収入がない」は16%だった。
フリーランスもリモートワークに移行しやすい「ソフトウェア・通信業界」
現在の社会の経済状況がフリーランスに大きな影響を与えていることが明らかになったが、こうした状況でも仕事量や収入を増やしているフリーランスもいる。そうしたフリーランスの分野を調べると「ソフトウェア・通信業界」が46.9%を占めていた。INTLOOPでは、ソフトウェア・通信業界は他の業界に比べるとリモートワーク(テレワーク)に移行しやすく、観光客減少などの影響を直接受けづらいことから、案件数や収入の面でマイナスの影響がないと分析している。
一方、「新型コロナウイルス感染症の仕事への影響に対して、自分で行っている対策」を聞いたところ、「営業活動を強化した」との回答が最も多く、33%を占めた。また、今知りたい情報について尋ねると、「フリーランスや法人が受けられる助成金について」(63.5%)との回答が最も多く、次いで「希望の仕事を受けられる案件紹介サービス」(55%)や「行政による失業補償や融資制度、手続き方法」(45%)が続いた。
INTLOOPの代表取締役を勤める林博文氏は、「当社のコロナウイルスの影響に関しては、国内・外資大手企業の単価が高いコンサルティングの仕事は減っているが、SI(システムインテグレーション)関連は減っていない。その影響が今回のアンケートにも現れた。このような厳しい状況下でもフリーランスとして働き続けるためには、探す案件の領域を広げたり、ある程度単価を下げたりすることで、案件とのマッチングがしやすくなる。これまでの条件にこだわるのではなく、フリーランスとして生き残ることを第一に考えた選択と行動が必要だ。市場動向を見極めながら、自分のスキルを棚卸しして、スキルアップすることも有効だ」と述べている。
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