やりがいって何ですか?:教えて! キラキラお兄さん(1/3 ページ)
有名ECサイトのプロダクトマネジャーが見失った「やりがい」とは。そして、どうやってそのやりがいを取り戻していったのか。これは、一人の男の再生の物語。
エンドユーザーの声を聞きたい、社会に貢献できる仕事をしたい、とエンジニアがtoCからtoBに転職するケースを、最近耳にするようになった。楽天市場のプロダクトマネジャーだった染谷梓郎さんもその一人だ。そして、彼にはもう1つ大切にしたいキーワードがある。「恩返し」だ。
映画の世界を目指すも……
染谷さんは学生時代、理工学部で化学を専攻していた。
「青色発光ダイオード関連の研究をしていましたが、実は先輩の研究を引き継いだだけで、学生時代はアルバイトばかりしていました。楽しかったなあ」
飲食店でアルバイトをする傍ら、月に5〜6本の映画を見る映画好きでもあったという。趣味が高じて「映画の世界で活躍したい」と考えた染谷さんは、就職活動で映画制作会社や配給会社などに応募した。しかし畑違いの理工学部出身故か、いずれも採用には至らなかった。失意の染谷さんの目に留まったのが「楽天」だった。
「プロ野球チームを買ったころだったので、勢いがあり、知名度もあったため応募しました(笑)」
そして内定をもらい、入社した。2007年のことだった。
当時の楽天は、開発と事業を分けない一括採用だった。接客業のアルバイトの経験や、新入社員研修期間中に「最も姿勢が良かった賞」で表彰されたこともあり、自分は営業部門に配属されるのだろう、と染谷さんは思っていた。
しかしプログラミング研修を受けて、気持ちが変わった。
「自動販売機のプログラムを作って、とっても楽しかったんです。それで開発部門で活躍したいという思いを強くしました。結局、研修期間中に完成しなかったんですが……(苦笑)」
その希望がかない、開発部門に配属。サービスイン間近のDVD/CDレンタルサービス「楽天レンタル」のプロジェクトの担当になった。
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