エンジニアも知っておきたい電子契約導入ポイント:アフターコロナのリーガルテック(1/3 ページ)
電子契約サービス導入のポイント、「セキュリティ」「汎用(はんよう)性」「管理性」「コストパフォーマンス」を解説する。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が企業に与えたインパクトは大きい。
特に緊急事態宣言が解除されてからは、コロナ下で経済を動かすために内閣府などから電子契約を促進する行政解釈(Q&A)が相次いで公表されるなど、「契約」は注目されている分野だ。
そこで、国内初の契約マネジメントシステムを提供している「Holmes」に、マネジメントとしての電子契約導入のポイントを尋ねた(インタビューは、弁護士古橋翼)。
アフターコロナの企業の現状
弁護士 古橋翼(以降、古橋) 契約書の電子化についての質問は以前からありました。新型コロナウイルス感染症の流行以降は、「ハンコのためだけに出社」をどうにかしたいというニーズが、やはり高いのでしょうか?
Holmes マーケティンググループ 部長 杜多真衣(以降、杜多) 弊社の調査では、コロナ禍でやむを得ず出社した理由の一番が「契約書の押印、送付のため」でした。電子化で不便を改善したいという要望は多くあります。
最近はさらに、「コロナや不測の災害にも対応して事業継続していく、そのための全社規模のデジタルトランスフォーメーション(DX)には契約過程も含まれる」との認識から、マネジメントの観点からトップダウンで電子化を進めるケースが目立ちます。
古橋 電子契約の導入に際しては、どのようなアドバイスをしていますか。
Holmes 広報 楢崎美和(以降、楢崎) まずはスモールスタートをお勧めしています。特定の契約書だけとか、一部の部署だけ、といった導入の仕方です。
電子契約のサービスが多様過ぎて決められないという担当者が多いので、まずは使って実感してみる、そこから全社的な現状とニーズを明確にして、適合するベンダーを見極めることを勧めています。その際のポイントは、次の4点です。
- セキュリティ
- 汎用(はんよう)性
- 管理性
- コストパフォーマンス
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- これからはじめる電子署名〜技術背景、法的な位置付け、サービス導入のポイント〜
テレワークが急速に広まる昨今、「署名」「押印」のためだけに出社する「ハンコ出社」が業務の完全テレワーク化を妨げているとして問題視されている。そのような中注目の集まる「電子署名」の技術的、法的な仕組みから、2020年9月4日に公表された新解釈、サービス導入のポイントについて解説する - 国内電子契約サービス市場 2023年度は200億円規模 ITR予測
ITRは国内電子契約サービス市場の規模予測を発表した。2018年度の売り上げ金額は、対前年度比83.5%増の36億7000万円。2019年度は同70.0%増、2023年度は200億円に迫ると予測する - コロナ禍でプライバシーマークとISMSが注目される? JIPDECとITRが「企業IT利活用動向追跡調査2020」の結果を発表
JIPDECとITRが実施した「企業IT利活用動向追跡調査2020」によると、テレワークや在宅勤務制度を整備した企業の割合が、2020年1月に実施した調査よりも約15ポイント増加した。電子契約を採用済みの企業は、2020年1月時点と変わらず約4割だった - 新型コロナで浮き彫り ペーパーレス化を進めるに当たって必要な取り組みを発表、ガートナー
ガートナー ジャパンは企業がテレワークの効率化を図るために検討すべきペーパーレス化やファイル活用への取り組みについて、ロードマップなどを発表した