Windows 10にアプリをインストールできない!? 原因が「Sモード」ならこうして解除だ:Windows 10 The Latest
一部の2in1 PCなどで、Windows OSとして「Windows 10 Home(Sモード)」と呼ばれるものが搭載されている。このSモードとはどういったものなのか、通常のHomeなどと何が違うのか、どうやってSモードを解除するのかについて解説する。
2in1 PCなどで搭載されている「Windows 10 Sモード」とは?
2in1 PCなどで「Windows 10 Sモード」と呼ばれるエディションが搭載されている。このSモードは、通常のエディションと何が違うのか。
スマートフォンでは、基本的にGoogle PlayストアやApp Storeからしかアプリをインストールできない。Google PlayストアやApp Storeで配布されているアプリは、GoogleやAppleで審査されており、マルウェアが仕込まれたり、不要な情報収集が行われたりする危険性の低いものとなっている。
一方、Windows PCでは、インターネット上で配布されているアプリを自由にインストール可能だ。こうした豊富なアプリが利用できる自由度が、Windows PCの利便性を高めているといえる。ただ、自由にアプリがインストールできるということは、マルウェアがインストールされる危険性もはらんでいる。
一部の企業用途や教育現場においては、Windows PCの利便性よりも、セキュリティを重視する傾向にある。そうした市場向けに、スマートフォンと同様、Microsoft Storeからしかアプリ(ソフトウェア)をインストールできない、「Windows 10 Sモード」の提供が行われている(詳細は後述)。Microsoft Storeでは、Microsoftがアプリを審査しており、安全と思われるものだけが配布される。
Microsoft Store以外でダウンロードしたアプリは実行できない
Google日本語入力のインストーラーを実行すると、このように警告ダイアログが表示され実行できない。このようにSモードでは、Microsoft Store以外でダウンロードしたアプリは実行できない。
量販店などで購入できるPCの中には、OS欄もしくはソフトウェア欄に「Windows 10 Home(Sモード)」と書かれているものがあるはずだ。例えば、Microsoftの「Surface Go 2」やASUSの「ASUS VivoBook Flip 14」など、一部の2in1 PC(タブレットとノートPCの切り替えが可能なもの)で「Windows 10 Home(Sモード)」が搭載されている。
このSモードとはどういったものなのか、もしSモードを搭載したPCを購入した場合の対処方法などについて解説する。
Windows 10 Sモードとは
Windows 10 Sモードは、Windows 10 Homeだけではなく、Pro/Enterprise/Educationの各エディションに対して提供されており、プリインストールならびにボリュームライセンス契約でのみ入手可能だ(パッケージやダウンロードによる提供はない)。Creators Update(バージョン1703)がリリースされた当時、Sモードは「Windows 10 S」と呼ばれるエディションの一種だった。しかし、April 2018 Update (バージョン1803)から各エディションに対する「モード」に変更されている。
通常のエディションに対して、Sモードでは幾つかの機能を制限することで、セキュリティを高めている。
最も大きな制限は、前述の通り、Microsoft Storeからしかアプリがインストールできない。つまり、実行できるアプリは、プリインストールされたものか、Microsoft Storeから入手可能なMicrosoft Storeアプリ(UWPアプリ)に制限される。そのため、WebブラウザもInternet ExplorerもしくはMicrosoft Edgeのみとなり、Google ChromeやMozilla Firefoxは利用できない(Microsoft Storeで配布されているWebブラウザは利用可能だが、マイナーなものしか見つからない)。ウイルス対策ソフトウェアも、Microsoft Storeで提供されているものに制限される。
PowerShellやコマンドプロンプトの実行も制限されるため、バッチ処理による自動化を行う際などに困るかもしれない。また、WSL(Windows Subsystem for Linux)のインストール自体は可能だが、なぜかLinuxディストリビューションのインストールでエラーが発生してしまい実行できない。
コマンドプロンプトも実行できない
Sモードでは、コマンドプロンプトやPowerShellも実行できない。cmd.exeなどの実行ファイルはインストールされているものの、実行しようとすると、この警告ダイアログが表示される。
WSLはLinuxディストリビューションのインストールでエラーが発生
Sモードでは、WSL(Linuxサブシステム)とUbuntuなどのLinuxディストリビューションのインストールは行えるものの、Linuxディストリビューションの起動後、初期設定(実際にはLinuxのインストール)の途中でエラーが発生して実行できない。
また、利用できるアカウントはMicrosoftアカウントに制限され、Pro以上のエディションであっても、オンプレミスのドメイン(Active Directory)には参加できないので注意してほしい(Azure ADドメインへの参加は可能)。ドメインで一括管理している環境では、困ることになる。
プリンタを含む周辺デバイスも、Windows 10に標準搭載されているデバイスドライバで動作するものに限られるため、機能が制限される場合がある。デバイスドライバのインストールに独自のインストーラーの実行が必要なデバイスは、場合によっては使えない可能性もあるので、事前に確認した方がよい。
このようにSモードでは、さまざまな点が制限されているため、この状態で利用し続けるのはかなり特殊な用途に限られそうだ。Sモードを搭載するPCを購入した場合、特別な理由がない限り、まずこのSモードを解除することから始めることになるだろう。
Windows 10 Sモードを解除する
Sモードは、無償で解除して、ベースとなっているエディションにすることができる。つまり、Sモードでの利用が困難な場合は、Sモードを解除すればよいわけだ。ただし、一度Sモードを解除してしまうと、元に戻すことはできないので注意してほしい。
Sモードを解除するには、[Windowsの設定]アプリを起動し、[更新とセキュリティ]−[ライセンス認証]画面を開き、右ペインの「Windows 10 <エディション>に切り替える」欄の[Microsoft Storeに移動]リンクをクリックする。Microsoft Storeアプリが起動し、[Sモードをオフにする]画面が開く。ここで[入手]ボタンをクリックすればよい。
Copyright© Digital Advantage Corp. All Rights Reserved.