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タスクごとのtempdbの使用状況に関する情報を出力するSQL Server動的管理ビューレファレンス(32)

「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、タスクごとの「tempdb」の使用状況に関する情報の出力について解説します。

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SQL Server動的管理ビュー一覧

 本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は動的管理ビュー「sys.dm_db_task_space_usage」における、タスクごとの「tempdb」の使用状況に関する情報の出力について解説します。対応バージョンは、SQL Server 2008以降です。

概要

 前回紹介した「sys.dm_db_session_space_usage」はセッションごとの「tempdb」の使用状況を確認できました。今回の「sys.dm_db_task_space_usage」はタスクごとの「tempdb」のページ使用量に関する情報を確認できます。セッションはタスク終了後も残り続けますが、タスクは処理の完了とともに終了するため、処理の実行中にしか確認できません。

出力内容

列名 データ型 説明
session_id smallint セッションID
request_id Int セッション内のリクエストID
exec_context_id int タスクの実行コンテキストID
database_id smallint データベースID
user_objects_alloc_page_count bigint タスクで、ユーザーオブジェクト用に予約または割り当てられたページの数
user_objects_dealloc_page_count bigint タスクで、ユーザーオブジェクトへの割り当てが解除され、予約されなくなったページの数
internal_objects_alloc_page_count bigint タスクで、内部オブジェクトに予約または割り当てられたページの数
internal_objects_dealloc_page_count bigint タスクで、内部オブジェクトへの割り当てが解除され、予約されなくなったページの数
pdw_node_id int ノードID
Azure Synapse AnalyticsとParallel Data Warehouseのみで有効

動作例

 あるセッションで「tempdb」を使用する処理を実行します。実行中のみ情報が取得できるため、処理が完了する前に別セッションから「sys.dm_db_task_space_usage」を実行します(図1)。

図1
図1 実行中のタスクの使用状況を別セッションから確認できる

 ユーザーオブジェクト用に32ページが割り当てられましたが、16ページは割り当てが解除されています。内部オブジェクト用には11704ページ割り当てられていますが、割り当てが解除されたページはありません。

※本Tipsは、「Windows Server 2019」上に「SQL Server 2019 CTP2」をインストールした環境を想定して解説しています。

筆者紹介

椎名 武史(しいな たけし)

日本ユニシス株式会社所属。Microsoft MVP for Data Platform(2017〜)。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。

伊東 敏章(いとう としあき)

日本ユニシス株式会社所属。入社以来SQL Server一筋で評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。社内のプログラミングコンテストで4回の優勝経験も持つ。趣味は輪行で週末は自転車を持っての旅行。目標は色々な日本百選を制覇すること。


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