Windowsから消えた「前回正常起動時の構成」を取り戻せ:その知識、ホントに正しい? Windowsにまつわる都市伝説(197)
Windowsの詳細ブートオプションの一つである「前回正常起動時の構成(Last Known Good Configuration)」は、前回正常起動したときのシステム設定を使用してWindowsを起動するオプションです。Windowsの正常起動を阻む何らかの理由を排除して、正常起動できる可能性があります。最近、このオプションを目にしたことはありますか?
サーバにはあるけど、いつの間にかデスクトップから消えたブートオプション
Windows Serverには「前回起動時の構成」は引き続き存在しており、もちろん利用可能です。Windowsが正常に起動しない場合は「詳細ブートオプション」を開き、「前回起動時の構成(詳細)」を選択して起動することで、問題を回避して正常起動できる場合があります(画面1)。
以下の画面2は、「Windows 10」の最新バージョンにある同等のブートオプションメニューですが、「前回起動時の構成(詳細)」に相当するものはありません。最新の「Windows 11」も同様です。もっと言えば、「Windows 8」からこのようになっています。
実は、高速スタートアップが導入され、電源投入直後の[F8]キーによる「詳細ブートオプション」へのアクセスが廃止され、モダンなブートメニュー(青い背景のメニュー)が導入されたWindows 8で、「前回起動時の構成」オプションは既定で無効化されたのです(後述するように有効化できます)。以下のドキュメントにあるように、「Windows 7」までは確かに「前回起動時の構成」オプションは存在し、利用可能でした。
- 高度なスタートアップオプション(セーフモードなど)(Windows サポート)
「前回正常起動時の構成」って何?
Windowsはドライバやサービスの構成を含むシステム設定の多くを、レジストリの「HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet」キーに格納しています。このキーは、物理的には「C:\Windows\System32\Config」ディレクトリにあるレジストリハイブのファイル「SYSTEM」から読み込まれたものです。
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