コンテナ環境の管理を効率化 VMwareが「VMware Tanzu Application Platform 1.0」を提供開始:コンテナイメージも自動で作成
VMwareは、「VMware Tanzu Application Platform 1.0」の提供を開始した。Kubernetesを利用したコンテナ環境で、コンテナアプリケーションの開発や展開を効率化する。主要なKubernetesディストリビューションに対応する。
VMwareは2022年1月12日、「VMware Tanzu Application Platform 1.0」の提供を開始した。Kubernetes環境のコンテナアプリケーションの開発やデプロイを効率化する。「VMware Tanzu Kubernetes Grid」に加え、「Amazon Elastic Kubernetes Service」「Microsoft Azure Kubernetes Service」「Google Kubernetes Engine」といった主要なKubernetesディストリビューションに対応する。
複雑な手順を自動化
Kubernetesは急速に普及しており、VMwareによると「Kubernetesを本稼働環境で利用している企業の割合は、2020年の59%から2021年には65%に増加した」という。
だが、従来Kubernetesでアプリケーションを実行させるにはDockerfileの準備や各種設定、他のアプリケーションやインフラとの接続など複雑な手続きが必要だった。VMwareは「複数のアプリケーションが動作する複数のクラウド環境を管理しながら、多くのソフトウェアサプライチェーンも管理する必要があり、DevOpsとセキュリティの実践を統合する問題に直面している企業が多い」と指摘する。
VMware Tanzu Application Platformはこうした課題を解決する。
クラウドネイティブのパターンを事前に定義したテンプレートを使用してアプリケーション開発ができる。サービスやAPIを管理ポータルにまとめているため「他のアプリケーションとも容易に統合できる」という。コンテナイメージも自動で作成可能で、アプリケーションを開発環境から本稼働環境に移す場合もコードをコミットするだけでよい。
VMwareは「VMware Tanzu Application Platformを利用することで、開発者は『コンポーネントをつなぎ合わせる』という作業が不要になり、ソフトウェアの構築に多くの時間を費やせる。結果として収益を生み出すアプリケーションをより早く市場に提供できるようになる」としている。
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