採用が難航する理由は「給料が見合わない」 Lboseが正社員採用とフリーランス活用に関する調査結果を発表:フリーランスは「人手不足の切り札」になるのか
Lboseは「企業の正社員採用状況・フリーランス人材の活用意向調査」の結果を発表した。正社員の採用が厳しくなった際の代替手段としてフリーランスの活用を考えている企業は20%にすぎなかった。
Lboseは2022年2月25日、「企業の正社員採用状況・フリーランス人材の活用意向調査」の結果を発表した。調査は、東京、神奈川、千葉、埼玉の企業に所属している人事担当者を対象に実施し、400人から有効回答を得た。
「自社の給与水準が採用市場に合っていない」
自社の「人手不足の状況」について聞くと「不足しているが大きな支障はない」と回答した人の割合が43.0%、「業務に支障を来すほどに不足している」が20.5%で、人手不足を感じている企業は6割を超えていた。これに対して「余力はないが不足はしていない」が26.3%、「人材不足は感じず、むしろ余裕がある」は10.3%だった。
Lboseはこうした人手不足の原因の一つに「正社員の採用が難しくなってきていること」を挙げる。正社員採用に「苦戦している」と回答した割合は27.3%、「やや苦戦している」は39.0%で、正社員採用に苦戦している企業も6割を超えていた。
正社員採用に苦戦している理由としては、「自社の給与水準と採用市場にいる人材の単価が合わない」を挙げた人の割合が41.5%(複数回答、以下同)で最も高く、次いで、「世の中の需要に対して人材側の供給が少ない」が37.0%、「応募は複数来るが、求める人材の応募が少ない」が33.2%だった。
まだフリーランスは「人手不足の切り札」にはなっていない
正社員の採用が厳しくなったときの代替手段としては、「人材派遣・契約社員」と回答した人の割合が51.3%(複数回答、以下同)で最も高く、次いで「パート・アルバイト」(34.3%)、「外注」(30.0%)が続いた。「フリーランス」を挙げた割合は20.5%で、「当てはまるものはない」の回答を除いて、最も低かった。
その理由を聞くと「なんとなく、特に理由はない」が最も多く、26.2%(複数回答、以下同)。次いで「他の手段の方が管理や採用がしやすい」を挙げた割合が23.1%、「業務内容とのミスマッチ」が13.7%、「保証・信用・セキュリティ面の不安」が12.0%だった。
この調査結果について、Lboseの小谷草志氏(代表取締役)は次のように分析している。
「正社員採用の代替手段として『フリーランスの活用』と回答した人は20%だったが、現在の人手不足の情勢を考慮すると低い割合だ。『人手不足だが業務に支障はない』との回答が多いことから、人手不足が業務に支障を来す度合いが大きくなるほど、今後のフリーランス活用が広がっていくだろう」
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