電子契約、電子インボイスなどの対策が進行中 ITRが「企業IT利活用動向調査2022」の結果を発表:“PPAP”禁止は2割に満たず
JIPDECとITRは「企業IT利活用動向調査2022」の結果を発表した。特に「テレワークの導入状況」「電子契約の利用」「改正個人情報保護法への対応」「電子インボイスの利用」などについて調査した。
日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)とアイ・ティ・アール(ITR)は2022年3月17日、両社が共同で実施した「企業IT利活用動向調査2022」の結果を発表した。
調査のポイントは「テレワークの導入状況」「電子契約の利用」「改正個人情報保護法への対応」「電子インボイスの利用」「デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組み」「PPAP」(パスワード付きZipファイルと、そのパスワードをメールなど同じ手段で送付すること)の6点。
調査は、国内企業に勤務しIT戦略の策定や情報セキュリティ施策に関わる係長職相当職以上の役職者を対象に実施し、982人から有効回答を得た。
「電子インボイスを利用する」は34.4%
テレワークを導入している企業の割合は72.7%。中でも、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行を機に導入した割合が全体の49.4%を占めた。コロナ禍前から導入していた企業は全体の23.3%。緊急事態宣言の解除に伴い、テレワークを廃止した企業は全体の8.4%だった。
電子契約を利用している企業の割合は69.7%で、2021年の調査時から2.5ポイント増加した。現在準備検討中は14.7%で、合計84.3%の企業が利用の意向を持っていた。
インボイス制度は、消費税の仕入税額控除の方式として2023年10月1日に始まる制度。この制度では仕入額控除に関する書類(適格請求書)を用意する必要がある。電子インボイスは、この適格請求書をPDFといった電磁的記録で扱うための仕組みとなる。
電子インボイスを利用することを決めている企業の割合は34.3%で、検討中が36.0%だった。それに対して「紙でのやりとりを考えている」と回答した割合は4.1%、「制度の概要が分からない」は4.5%、「まだ検討していない」は11.9%だった。
PPAPについては、送信時に「利用している」と回答した割合は30.5%、「利用制限を設けていない」は9.5%、「禁止していないが他の方法を推奨」は15.5%、「利用中だが禁止する予定で、他の手段の導入を検討中」は26.6%、「利用を禁止し、他の方法を導入済み」は8.2%、「もともと利用していない」は9.7%だった。
一方、PPAPによるメールを受信時に「受け取っている」と回答した割合は52.9%、「受け取っているが、今後禁止する予定」は32.6%、「禁止している」は14.4%。
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