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「安全保障の観点からもサイバー攻撃の脅威は深刻化している」 公安調査庁が「サイバー空間における脅威の概況2022」を公開:生活に直接影響が出るケースも
公安調査庁は「サイバー空間における脅威の概況2022」を公開した。2021年に発生したサイバー脅威のうち「日本企業の海外拠点を狙った攻撃」「ランサムウェア攻撃による被害」「インフルエンスオペレーション」などを取り上げている。
公安調査庁は2022年4月14日、「サイバー空間における脅威の概況2022」を公開した。これは、サイバー空間における脅威の概況などをまとめたもので、2020年から毎年発行されている。2022年版は、2021年に発生したサイバー脅威のうち「日本企業の海外拠点を狙った攻撃」「ランサムウェア攻撃による被害」「インフルエンスオペレーション」などを取り上げている。
海外拠点を経由した攻撃が頻発
2021年に発生した、日本企業を標的としたサイバー攻撃には以下のような事例がある。
- 大手電気機器メーカーへの不正アクセス事案(3月)
- 大手医薬品メーカーの海外子会社が外部からのサイバー攻撃を受けた事案(7月)
- 大手保険会社の海外グループ会社がランサムウェア攻撃を受けた事案(8月)
- 大手自動車メーカーの海外子会社が不正アクセスを受けた事案(10月)
- 大手電気機器メーカーのネットワークに対する不正アクセス事件(11月)
これらの攻撃では比較的セキュリティが手薄になりがちな海外拠点が狙われた。「海外拠点を踏み台に、国内のサーバに侵入された事例があり、警戒が必要だ」と公安調査庁は注意を促している。
世界的にランサムウェアの被害が拡大
2021年はランサムウェアによる被害が世界的に多かった。
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