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職場でまん延する「ログイン疲れ」、働く気をゼロにする「現代病」の弊害とは:弱いパスワード以外の問題がある
1Passwordは企業内のセキュリティについて解説した。業務に必要なパスワードを従業員がうまく管理できないため「ログイン疲れ」が起こっているという。パスワードの使い回しやあまりにも単純なパスワードを使うといったよく知られた問題以外にも、隠れた問題があるという。
パスワード管理ソフトウェアを開発する1Passwordは2022年9月15日(カナダ時間)、企業内でパスワードが適切に使われていない実態を解説した。
業務に必要なツールにアクセスする際、パスワードの入力が求められる。現在、企業内で従業員が管理しなければならないパスワードの数は増え続けており、いわゆる「ログイン疲れ」が起きている。従業員が疲れてしまうだけではない。タスクを完了するために正規の手順を取らなかったり、安全性の低い回避策を見つけたり、場合によってはタスクの実行を諦めたりして、ビジネスを危険にさらしている可能性があるという。
1Passwordはログイン疲れの実態とこれがもたらすリスクについて理解を深めるため、カナダと米国に在住する2000人を対象に調査した。対象者は全て、従業員250人以上の企業の正社員であり、主にPCを使って業務を遂行している。調査を始めるに当たって、ログイン疲れがフラストレーションの原因になっているのではないかと予想していたものの、問題はより大きく複雑だった。
ログイン疲れは何をもたらしているのか
調査によれば、ログイン疲れに関連して主に8つの問題があることが分かった。
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