思ったより少ない? 従業員数1000人以上の企業でシャドーITの利用経験がある社員の割合とは:メタップスがセキュリティ意識に関して調査
メタップスは、従業員数1000人以上の企業を対象に実施したセキュリティ意識に関する調査の結果を発表した。それによると、18.3%の人が「シャドーIT」の利用経験があることが分かった。
メタップスは2022年10月19日、セキュリティ意識に関する調査の結果を発表した。それによると、シャドーITを利用した経験が「何度もある」と回答した人の割合は8.2%、「ややある」は10.1%だった。
この調査は、従業員数1000人以上の企業に勤務している人を対象に実施し、IT企業に勤務する320人と非IT企業に勤務する336人から有効回答を得た。なお、ここでいう「シャドーIT」とは、企業のシステム部門が管理していない、従業員や各業務部門が自己判断で勝手に導入したシステムやサービスのこと。
シャドーITに求めるのは「生産性の向上」
シャドーITを利用したことのある人に、利用した理由について聞くと「そのサービスを利用することで生産性の向上が見込めるから」が最も多く、41.7%(複数回答、以下同)だった。次いで、「特に問題はないと思ったから」(31.7%)、「会社で利用しているサービスが非効率だから」(25.0%)、「テレワークの作業環境の構築を個人に任せられているから」(17.5%)、「社内規制やルールが明確ではないから」(14.2%)と続いた。利用したシャドーITの種類については「コミュニケーションツール」「クラウドストレージ」「翻訳ツール」などが挙がった。
シャドーITを使う理由として「生産性の向上」を挙げる人が多かった一方で、仕事を進める上では安全性を重視する人の方が多かった。
「仕事を進める上で安全性と生産性のどちらを重視したいか」という問いについては「安全性」と回答した人の割合が多く、75.4%(「安全性」が38.4%、「どちらかというと安全性」が37.0%)で、「生産性」と回答した人は24.5%(「生産性」が6.4%、「どちらかというと生産性」が18.1%)だった。
安全性を重視する理由について聞くと「安全が侵されると、結果的に生産性が落ちるから」「万一のことを考えた場合責任が取れない」「生産性を重視してトラブルがあったら最終的に生産性が落ちる」などが挙がった。
これに対して生産性を重視する理由では、「安全性を求め過ぎると、生産性が失われるから」「仕事を効率良く進めて、クリエイティブな仕事を多く実施したい」「社内のセキュリティはプロキシなどで守られている」「生産性が高くないと利益が得られない」などの声があった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「食べ超」でIT用語を勉強して、つよつよエンジニアになろう
1年に1回だけ会えるなんて、読者とボクたちはまるで彦星と織姫のようだね! - シャドーITの脅威にどう対処するか
セキュリティ企業ESETは、「新型コロナウイルス感染症の大流行(パンデミック)を経てテレワークやハイブリッドワークが一般化する中、シャドーITがますます深刻な問題となっている」との認識から、その脅威に対処する方法を概説した。 - シャドーITや設定ミスによる情報漏えいなどを防ぐ「クラウドセキュリティ」は統合されてゼロトラストの一部となる
デジタルトラストを実現するための新たな情報セキュリティの在り方についてお届けする連載。今回は、ゼロトラストを構成する上で必要となるクラウドセキュリティ技術について解説する。