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2023年度、最低限押さえておきたいIT関連の法改正をまとめてチェック個人情報保護法、電気通信事業法など

IT業界で働いているなら最低限押さえておきたい2023年度施行予定の法律と、2024年度以降に施行される予定の法律案を紹介する。

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 本記事では、IT業界で働いているなら最低限押さえておきたい2023年度に施行予定の法律(施行済みのものも含む)と2024年度以降に施行される予定の法律案をまとめた。それぞれに所轄官公庁、行政委員会の情報提供ページへのリンクを記載しているので、詳しく知りたい方は確認してほしい。

電子帳簿保存法改正(電子取引の電子保存を義務化)

 電子帳簿保存法とは、従来紙で保存しなければならなかった帳簿書類を電子データで保存できるように認め、その手続きを定めた法律だ。

 2023年度の税制改正により、電子取引の取引情報を電子的に保存することが義務付けられたが、移行措置として2023年12月までに行われた電子取引についてはプリントアウトした紙での保存も引き続き可能だ。2024年1月以降は電子取引の電子保存が必須となる。

 電子取引のデータ保存の要件は、下記4点だ。

  • システム概要に関する書類(データ作成ソフトウェアのマニュアルなど)の用意
  • 見読可能装置(データが確認できるディスプレイやアプリなど)の用意
  • 取引年月日、取引金額、取引先で検索できる機能の確保
  • データの真実性を担保する措置(タイムスタンプの付与や訂正、削除の記録、禁止など)を取ること

電子帳簿等保存制度特設サイト◇国税庁

どうすればいいの?「電子帳簿保存法」(ミラサポ plus 経済産業省、中小企業庁)

道路交通法(公道でのレベル4自動運転が可能に)

 2023年4月1日から、特定の条件下で、自動運転「レベル4」の車を事業者が運行計画を提出し許可を受けることで公道を走行できるようになった。

 自動運転のレベル分けは全部で5段階。システムが前後左右のいずれかの運転操作を支援する「レベル1」から、常にシステムが運転を制御する「レベル5」までが設定されている。

 自動運転のレベル4は、人が緊急時に運転する必要がなく、車を安全に停止させることができるようになる自動運転の区分だ。レベル4の許認可により、運転席やハンドルのない無人の車が公道を走行することが可能になる。

自動運転(警察庁)

個人情報保護法(個人情報保護取り扱いに関する法律の一元化)

 「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」の施行により、個人情報保護法の一部が改正される。2023年4月1日からは個人情報保護委員会が、民間事業者、国の行政機関、独立行政法人、地方公共団体などの四者における個人情報および匿名加工情報の取り扱いを一元的に監視監督する。

 これまで、個人情報保護法の規制範囲は民間事業者の個人情報の取り扱いに限定されており、国や地方公共団体などの公的部門については別の法律で規制されていた。今回の個人情報保護法の改正で、国や地方公共団体の個人情報取り扱いに関する複数の法律を一元化し、公的部門と民間部門の規律を統一した。

令和3年改正個人情報保護法について(官民を通じた個人情報保護制度の見直し)(個人情報保護委員会)

電気通信事業法(届け出が必要な事業者範囲の拡大、Cookie規制の新設など)

 改正電気通信事業法は2023年6月16日までのいずれかの日程で施行される予定となっている。

届け出制の対象が拡大

 検索情報電気通信役務や媒介相当電気通信役務と呼ばれるサービス(検索エンジンやポータルサイト、SNSなど、利用者の端末から第三者に情報が送信されるもの)を提供する事業者は、総務大臣に指定された場合、総務省に届け出をしなければならなくなる。

利用者情報の外部送信規制(Cookie規制)の新設

 電気通信事業者は、利用者の端末にCookieや広告IDなどの情報を埋め込んで利用者に関する情報を外部に送信する場合、その内容や目的を利用者に対し、通知もしくは公表しなければならなくなる。サービス提供に必要な情報やオプトアウト措置が講じられている場合は、適用範囲外だ。


事業者が利用者に関する情報を外部に送信する場合にすべきこと(出典:電気通信消費者情報コーナー>外部送信規律《総務省》

 対象となる事業者は2023年4月現在、以下の通り。

  • 固定/携帯電話、インターネット接続サービスなど、電気通信事業の届け出をした事業者
  • 利用者間のメッセージ媒介サービス、オンライン検索サービス、SNS/電子掲示板/動画共有サービス、オンラインショッピングモール、各種情報のオンライン提供などの第三号事業を営む者で、総務省令で定める電気通信役務を提供する事業者

電気通信事業法の一部を改正する法律(概要)(総務省)

電気通信消費者情報コーナー>外部送信規律(総務省)

消費税法(インボイス制度の開始)

 消費税の仕入税額控除のために、売り手が買い手に対して正確な適用税率や消費税額などを伝える適格請求書(インボイス)を交付し、買手がそれを保存する「インボイス制度」が2023年10月1日に開始となる。インボイス制度に参加するためには、事業者は納税地を所轄する税務署長に対して登録申請書を提出し、適格請求書発行事業者になる必要がある。

インボイス制度の概要(国税庁)

2024年度以降に施行される見通しの法律案

 この他に、2024年度以降に施行される見通しの法律案として、メタバースでの知的財産権の保護などを盛り込んだ「不正競争防止法等の一部を改正する法律案」やフリーランスの取引を適正化する「フリーランス・事業者間取引適正化等法案」がある。

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