Cloudflare、サーバレスでエッジAIアプリを構築できる「Constellation」を発表:CDNとAIでエッジAI開発を支援
Cloudflareは、Cloudflare Workersで機械学習モデルを利用した推論を可能にする「Constellation」を発表した。
Cloudflareは2023年5月13日(米国時間)、同社のサーバレスプラットフォーム「Cloudflare Workers」で機械学習(ML)モデルを利用した推論を可能にする「Constellation」を発表した。Constellationを使用することで、Cloudflare Workersでトレーニング済みのMLモデルを利用し、推論タスクを実行できるという。
Cloudflareは発表の中で「開発者にとってAIがコモディティ化しているとはまだ言えない。多くの場合、開発者はAIの背後にある数学を理解する必要があり、ソフトウェアやツールは複雑で散在しており、枠組みやデータを実行するハードウェアやクラウドサービスは高価だ。誰もがCloudflare Workers上でMLモデルを実行し、推論できる」と述べている。
Cloudflareは、Cloudflare Workersで展開できるAIアプリケーションの例として以下を挙げた。
- 画像や音声の分類や物体検出
- データ異常検知
- テキストの翻訳、要約、類似性解析
- 自然言語処理
- 感情分析
- 音声認識や音声合成
- 質問応答
開発者は、Cloudflareが検証済みのMLモデルを利用したり、「Hugging Face」や「ONNX Zoo」といった機械学習ハブで公開されているトレーニング済みのMLモデルなどをConstellationにアップロードしたりして、MLモデルを活用したエッジAIアプリを構築できる。
import { imagenetClasses } from './imagenet'; import { Tensor, run } from '@cloudflare/constellation'; export interface Env { CLASSIFIER: any, } export default { async fetch(request: Request, env: Env, ctx: ExecutionContext) { const formData = await request.formData(); const file = formData.get("file"); const data = await file.arrayBuffer(); const result = await processImage(env, data); return new Response(JSON.stringify(result)); }, }; async function processImage(env: Env, data: ArrayBuffer) { const input = await decodeImage(data) const tensorInput = new Tensor("float32", [1, 3, 224, 224], input) const output = await run(env.CLASSIFIER, "MODEL-UUID", tensorInput); const probs = output.squeezenet0_flatten0_reshape0.value const softmaxResult = softmax(probs) const results = imagenetClasses(softmaxResult, 5); const topResult = results[0]; return topResult }
2023年5月31日時点で、ONNX(Open Neural Network Exchange)ランタイムをサポートしており、今後、対応ランタイムを拡大させる予定だという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 第269回 エッジAIは日本の最後の砦か? 学習もエッジAIで行うメリットとは
ロームが発表したエッジAIデバイスがちょっと興味深い。推論だけでなく、学習もローカルのデバイスで行うという。ターゲットが「故障予兆検知」というのも面白い。故障予兆検知の可能性や、デバイスで学習を行うメリットについて考えてみた。クラウド分野が海外に抑えられている昨今、エッジAIは日本の最後の砦(とりで)かも……。 - Cloudflare、毎秒7億5400万パケットのDDoS攻撃に自動処理で対応
Cloudflareは2020年6月に起きた大規模DDoS攻撃に対して自動処理だけで対応できたと発表した。4日間にわたる攻撃では毎秒4〜6億パケットを頻繁に超え、最大毎秒7億5400万パケットに達していた。