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「もう後がない」 危機的状況で千葉県が導入したローコード/ノーコード開発ツール、定着の秘策は?:業務の混乱と担当者の疲弊ぶりを目の当たりに(1/2 ページ)
5類移行をきっかけに、新型コロナウイルス感染症が話題に上ることは少なくなった。それ自体は良いことかもしれないが、そこで得られた教訓を眠らせておくのは惜しい。本稿は、コロナ禍をきっかけに紙媒体を中心とした業務をローコード/ノーコード開発ツールで効率化した千葉県の事例を紹介する。
コロナ関連業務の混乱ぶりを目の当たりにしてシステムの内製を決断
2020年に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を受けて、全国各地の医療機関や保健所、自治体が対応に追われて混乱を極めたことは記憶に新しい。千葉県も同様で、最も忙しいときには300人近くの職員が月80時間以上の残業をしていたという。
当時、千葉県庁内に設けられた新型コロナウイルス感染症対策本部のDB導入グループに所属し、COVID-19対策の業務に従事した屋宜哲也氏(現、県土整備部 河川環境課 河川海岸管理室 主幹兼室長)は、現場の混乱ぶりを次のように振り返る。
「私はもともと別の部署から応援に入ったのですが、感染者の数が爆発的に増えるに伴い業務量も急増し、誰もが疲弊しきっていました。一方、現場では紙の書類が積み上がっていたり、保健所とのやりとりをFAXで行っていたり、ホワイトボードに記録をとっていたりと、アナログで非効率な業務のやり方がまかり通っていました」(屋宜氏)
それまで長らく、部署ごとに個別にデータを管理して帳票を作成するという業務スタイルが根付いていた。そのため、COVID-19関連の業務についても同様に部署ごとに個別に管理している「Microsoft Excel」(以下、Excel)に情報を入力し、個別に帳票を作成するといった非効率な作業が繰り返されていた。
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