「TypeScript」の案件が増えている ギークスが「ITフリーランス案件倍率レポート」を発表:「プロンプトエンジニアリングへの関心が強まっている」
ギークスは、2023年7〜9月の案件倍率をまとめた「ITフリーランス案件倍率レポート」を発表した。案件数は増加傾向が続いており、同社は「IT人材の確保は依然として難しい状況が続いている」と分析している。
ギークスは2023年11月8日、同年7月〜9月の案件倍率をまとめた「ITフリーランス案件倍率レポート」を発表した。ギークスで扱っている案件数と案件を探すITフリーランスの人数から算出した「案件倍率」をまとめたもので、同社は「ITフリーランス市場の需給トレンドを表す」としている。
案件数も、案件を探すフリーランスも増え続けている
レポートによると、2023年7月〜9月の案件数は対2022年同月比で7月は58%増、8月は44%増、9月は93%増と増加を続けている。案件倍率は7月が10.46倍、8月が10.48倍、9月が10.96倍と推移し、四半期累計では10.65倍だった。案件の内訳としては、SaaS(Software as a Service)型のサービスを提供している企業からの問い合わせが堅調に増えているという。
案件を探すフリーランスの数は、2023年7月が対2022年同月比で40%増、8月が同49%増、9月が同101%増となっており、「フリーランスという働き方に挑戦するIT人材が増えているのではないか」とギークスは推測している。
スキルニーズを見ると、「JavaScript」「PHP」「TypeScript」の需要が引き続き高い。技術力に加えて、開発言語のフレームワークに関する知識を持ったスペシャリスト人材を求める声が上がっているという。
2023年10月以降の案件数についてギークスは「例年、翌年1月以降開始の案件に向けてIT人材の確保に動き出す企業が増えることから、10月後半〜11月にかけて増加する」と予測している。案件の内容については「NFT(Non-Fungible Token)」「ブロックチェーン」「AI(人工知能)」に関連する案件が増えているという。
フリーランス業界でも生成AIは注目されているようだ。ギークスは「生成AIの進化が目覚ましい中、特に自然言語処理を担うLM(言語モデル)を効率的に使用するために、言語モデルへの命令(プロンプト)を開発、最適化する“プロンプトエンジニアリング”への関心が強まっている。生成AIといった新しい技術や知見を身に付けようと能動的に動くITフリーランスが多く見られる」と分析している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「電子帳簿保存法」の改正内容と、フリーランスがやっておくべきこと
2022年に改正された「電子帳簿保存法」の、「電子取引のデータ保存」の猶予期間が2023年12月で終了します。法改正によりどのような影響があるのか、フリーランスエンジニアはどのように対応したらいいのか、分かりやすく解説します。現在フリーランスで活躍しているエンジニアの皆さん、今後フリーランスになることを視野に入れている皆さん、そしてフリーランスエンジニアとビジネスを行っている皆さん、参考にしてください。 - 「フリーランスを使うかどうか」の前に「会社が受け入れられるかどうか」が不安 レバテック
レバテックは、ITフリーランスとの取引に関する意識調査の結果を発表した。フリーランスの活用を検討中の企業のうち半数以上が「良い人材が見つかっていない」と回答。約3割が「受け入れ体制の不十分さ」を不安視していることが明らかになった。 - フリーランス1000人に聞いた、「新しい仕事や収入増につながったリスキリングは何?」
リインフォースは、フリーランスや副業、複業人材を対象に実施した、リスキリングに関する調査の結果を発表した。それによると、約9割が「リスキリングで何かしらの成果があった」と回答した。