自分では気付いていない「楽しさ」を振り返ってみる
ただ、ここまで自分の状況を言語化してみて、「全く楽しくないのか?」というと、「必ずしも、楽しくないわけではないな」という気もします。よく考えてみると、楽しいこともあります。
いま仕事で「楽しいと感じるとき」や「ありがたい」と感じること、自分で自分を「褒めたいと思うこと」を、あえてリストアップしてみると……。
- 文章を書いたり、編集したりする仕事をしているとき
- 自分の経験を人前で話しているとき
- 困りごとや悩みごとなどを相談できる知人や同僚がいること
- 業務上では、相応の結果を出していること
- 3〜4年かけて取り組んできた仕事が、少しずつ形になり始めていること
- 取り組んだ仕事に対するポジティブなフィードバック
- いろいろな人をつないだり、出会ったりすること
- (大変だけど)さまざまな社会の課題に対し、「今後、こうなっていくんじゃないか」と考えたり、それを解決するための方法を考えたりすること
- (大変だけど)これから取り組みたい、取り組むべきことをポッドキャストや文章で毎日発信できていること
これはあくまでもわたくしごとで、状況は人それぞれ違うとは思います。でも改めて、普段あまり意識していない、ほんのわずかでも「楽しいと感じるとき」や「ありがたいと感じること」「褒めたいと思うこと」をリストアップしてみると、案外「できているかも」「がんばっているかも」「悪くはないかも」とも感じます。
仕事が「100%楽しい」でなくても
「仕事は楽しいか?」という問いに、「楽しい」と答えられる人も、「う〜ん」と言葉が詰まってしまう人もいると思います。「楽しいか?」と聞かれたら、100%の状態と比較するから、「う〜ん」となってしまうことも多いですよね。
100%の状態を目指すのは悪いことだとは思いません。だからといって、100%の状態でないことが悪いわけでもない。少しでも「楽しいこともある」と感じられたなら、それでいいのかも。
これは、僕の勝手なイメージですが、もし、「仕事が楽しい」に100%の状態があったとしたら、2割ぐらい「楽しいな」「うれしいな」「面白いな」と感じられることがあったら、「案外幸せ」というか。
「常に楽しい」わけではないけれど、時々「今日はうまくいったな」「今日はがんばったな」「○○をしているときは楽しいな」と思うこと、あるじゃないですか。
ほんの少しでもいいから「いま、楽しい、うれしい、面白い、自分を褒めたいと思うことは何かな?」――時々そんなことを考えて「悪くないかも」と思えたら、案外幸せなのかもしれません。
筆者プロフィール
しごとのみらい理事長 竹内義晴
「仕事」の中で起こる問題を、コミュニケーションとコミュニティーの力で解決するコミュニケーショントレーナー。企業研修や、コミュニケーション心理学のトレーニングを行う他、ビジネスパーソンのコーチング、カウンセリングに従事している。
著書「Z世代・さとり世代の上司になったら読む本 引っ張ってもついてこない時代の「個性」に寄り添うマネジメント(翔泳社)」「感情スイッチを切りかえれば、すべての仕事がうまくいく。(すばる舎)」「うまく伝わらない人のためのコミュニケーション改善マニュアル(秀和システム)」「職場がツライを変える会話のチカラ(こう書房)」「イラッとしたときのあたまとこころの整理術(ベストブック)」「『じぶん設計図』で人生を思いのままにデザインする。(秀和システム)」など。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- お悩みその20 「仕事が楽しい」とは思えない(31歳 男性 SE)
感情を重視するのは、心のバグじゃよ。 - 「仕事の楽しさ」って何だろう?
仕事はやっぱり嫌なもの? そもそも仕事の“楽しさ”って何だろう?――仕事の不満や悩みを解消するヒントをお届けする本連載。今回のテーマは「仕事の楽しさ」です。 - 「仕事の楽しさ」は、51ならそれでよし
「あなたは仕事が楽しいですか?」――と質問されて、一瞬、言葉が詰まってしまいました。はて、私は仕事が楽しくないのでしょうか?