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2023年に各言語で最も利用されていたオープンソースライセンス OSIが発表ライセンスがないコンポーネントも確認される

オープンソース推進団体のOpen Source Initiativeはオープンソースライセンス利用動向の調査結果を発表した。

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 オープンソース推進団体のOpen Source Initiative(OSI)は2023年12月7日(米国時間)、オープンソースライセンス利用動向の調査結果を発表した。同調査は、ソフトウェアコンポーネントの配布元やライセンスに関するメタデータを収集、提供する共同プロジェクト「ClearlyDefined」に基づくものだ。

 調査によると、ソフトウェアコンポーネントの多くがライセンスなしで共有、使用もされていたことが明らかになったとしている。

各言語におけるライセンスの割合

JavaScript(npm)

 JavaScriptのnpmパッケージマネジャーで最も使用されているライセンスは「MIT License」(53%)だった。「Apache License 2.0」が14.76%、ISCライセンスが10.48%だった。「ライセンスなし」は8%で限定的だった。

npmにおけるライセンス使用動向(提供:OSI)
npmにおけるライセンス使用状況(提供:OSI)

.NET(Nuget)

 .NETのパッケージマネジャーであるNugetの場合、ライセンスなしが最も多かった(26.76%)。MIT Licenseが21.55%、Apache License 2.0が13.37%だった。

.NETにおけるライセンス使用動向(提供:OSI)
.NETにおけるライセンス使用状況(提供:OSI)

Java(Maven)

 JavaのパッケージマネジャーであるMavenのコンポーネントで最も利用されているライセンスは、Apache License 2.0だった(69.18%)であり、MIT Licenseが7.4%だった。

Mavenにおけるライセンス使用動向(提供:OSI)
Mavenにおけるライセンス使用状況(提供:OSI)

Python(Pypi)

 PythonのパッケージマネジャーであるPypiでは、MIT LicenseとApache License 2.0が圧倒的で、それぞれ29.14%と23.98%を占めた。2条項BSDライセンスとGPL3.0は、それぞれ6.25%と6.11%だった。ライセンスなしは23.69%だった。

Pypiにおけるライセンス使用動向(提供:OSI)
Pypiにおけるライセンス使用状況(提供:OSI)

Ruby(Gem)

 RubyのパッケージマネジャーであるGemのコンポーネントで最も利用されているのは、MIT Licenseだった(63.11%)。Apache License 2.0が8.22%、3条項BSDライセンスが6.66%だった。

Gemにおけるライセンス使用動向(提供:OSI)
Gemにおけるライセンス使用状況(提供:OSI)

PHP(Composer)

 PHPのパッケージマネジャーであるComposerで最も利用されているのも、MIT Licenseだった(64.73%)。3条項BSDライセンスが5.72%、Apache License 2.0は3.92%だった。

Composerにおけるライセンス使用動向(提供:OSI)
Composerにおけるライセンス使用状況(提供:OSI)

Go

 Goで最も利用されているのは、Apache License 2.0であり(32.49%)、ライセンスなしが29.67%、MIT Licenseが20.1%だった。

Goにおけるライセンス使用動向(提供:OSI)
Goにおけるライセンス使用状況(提供:OSI)

Rust(Crate)

 RustのパッケージマネジャーであるCrateでは、MIT LicenseとApache License 2.0が多数を占めた(83.52%)。

Crateにおけるライセンス使用動向(提供:OSI)
Crateにおけるライセンス使用動向(提供:OSI)

 OSIは「オープンソースライセンスが普及しているにもかかわらず、オープンソースコンポーネントのかなりの割合がライセンスを持っていない。これはコンポーネントの使用に不確実性をもたらす他、潜在的にコラボレーションを妨げ、法的な複雑さや、セキュリティ上の懸念が生まれる。ライセンスを持たないコンポーネントの問題は、コミュニティー全体の課題としてアプローチしていくことが必要だ」と述べている。

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