88%の経営幹部が「2024年は2023年以上にテクノロジーの変化が加速する」と予測 アクセンチュアが調査:76%が「生成AIは脅威ではなくチャンス」と捉えている
アクセンチュアは、企業の経営幹部を対象に実施した調査結果をまとめた「Pulse of Change:2024 Index」を発表した。経営幹部の88%は、2024年にはテクノロジーの変化が加速すると予測していることが分かった。
アクセンチュアは2024年1月18日、「Pulse of Change:2024 Index」を発表した。これは20カ国19業種の企業の経営幹部を対象に、労働生産性やIT支出などについて調査した結果をまとめたもの。
2024年は2023年以上に急速な変化が起こる
Pulse of Changeは「テクノロジー」「人材」「経済」「世界情勢」「気候」「消費者と社会」という事業に影響を及ぼす6つの変化要因について、労働生産性やIT支出などの指標を用いて指数化している。その中で“テクノロジー”は「事業に創造的破壊をもたらす要因」として2022年の6位から1位に上昇していた。
事業の変化要因についても1位はテクノロジーだった。アクセンチュアは「生成AIの進化の影響が大きい」と分析している。次点は“人材”。経営幹部の42%が「スキル不足は変化に対応する能力を阻害する課題の一つ」と回答しており、アクセンチュアは「企業にとって人材戦略が最優先事項であることを裏付けている」としている。
調査結果によると、企業は2023年にテクノロジーの急激な変化に直面しており、そのせいもあってか、経営幹部の88%が「2024年にはさらに変化が加速する」と予測していた。回答者の60%が変化をチャンスと捉え、68%は2024年に増収を見込んでいた。一方で、回答者の52%は「2024年の事業環境で直面するであろう変化に対応する準備が十分でない」と回答していた。
また、76%は、生成AIを脅威よりもチャンスと捉え、コスト削減よりも収益拡大に有益だと考えていた。ただし、加速するテクノロジーの変化への備えが十分でないと答えた回答者は47%を占め、72%は、責任あるAI活用に関する社会的懸念から、より慎重に投資していることが分かった。
Accentureのジャック・アザグリ氏(ストラテジー&コンサルティング グループ・チーフ・エグゼクティブ)は、「ここ数年で変化の度合いは急速に高まっており、企業活動の構造的な変革が求められている。変化と革新的イノベーションの最も重要な要因であるテクノロジーは、この構造変化の鍵でもある。今後10年で成功する企業は、生成AIの活用など、テクノロジーやデータ、AIを活用して継続的に企業を再創造する戦略を採用し、従業員を変革の中心に据える企業だ」と述べている。
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