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BroadcomとGoogle Cloud、VMwareライセンスのポータビリティを発表:一般提供は2024年の第2四半期以降
BroadcomとGoogleはVMwareライセンスのポータビリティを発表した。VMware Cloud Foundationのサブスクリプションを、オンプレミスとGoogle Cloud VMware Engineのどちらでも使用できるようになる。
BroadcomとGoogleは2024年2月14日(米国時間)、VMwareライセンスのポータビリティをサポートすると発表した。
Broadcomから「VMware Cloud Foundation」(VCF)の新サブスクリプションライセンスを購入すれば、オンプレミスと「Google Cloud VMware Engine」(GCVE)のどちらでも使用できるようになる。また、GCVEにVCFをデプロイする際にサブスクリプションの権利を獲得し、必要に応じてサポートされている環境間で移動することもできる。
既にVCFを購入して導入を開始しているVMwareユーザーは、サブスクリプションの残余部分をGCVEに移行できるようになる。その後も変化するニーズや要件に応じて、VCFサブスクリプションをオンプレミスからGCVEへ移動(もしくはその逆)できるようになる。
ユーザーは、VCFライセンスをGCVEに持ち込むことに加えて、従来通りVCFライセンスが組み込まれたGCVEを、Google Cloudから直接購入することもできる。
両社は、GCVEでVCFを使うことのメリットを、次のようにアピールしている。
- インフラストラクチャの簡素化:仮想マシンとワークロードをGoogle Cloudに移行し、Googleのネットワーキングアーキテクチャと緊密に統合する
- 運用の合理化:使い慣れたVMwareツールによって、クラウドベースのリソースを管理できる一方、ネイティブのコンテナ化されたアプリケーションにもアクセスできる。統合されたIAM(Identity and Access Management:アイデンティティーアクセス管理)と迅速なセルフサービスプロビジョニングによって、統合したGoogle Cloudエクスペリエンスのメリットを得られる
- 経済性の向上:ワークロードをGoogle Cloudに拡張し、使用したリソースに対してのみ料金を支払うことでTCO(Total Cost of Ownership:総所有コスト)を改善する
- インサイトを獲得する:BigQuery、AI(人工知能)、機械学習(ML)アプリケーションなどのGoogle Cloudサービスを、GCVEから利用することで、データをインテリジェントな洞察に変換する
- 信頼性とセキュリティの向上:VMware NSXとGoogle Cloudによる、高いセキュリティを活用できる。これには、プライベート高速ネットワーキングと専用クラスタ設計、99.99%の稼働時間と100Gbpsの専用East-West接続を備えたエンタープライズグレードの可用性が含まれる
BroadcomとGoogleは、VCFライセンスのGCVEへのポータビリティの一般提供を、2024年の第2四半期に予定している。
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