AI分野での活用も増加している「GPU」の種類と選び方を学ぼう:ビジネスパーソンのためのIT用語基礎解説
IT用語の基礎の基礎を、初学者や非エンジニアにも分かりやすく解説する本連載、第19回は「GPU」です。ITエンジニアの学習、エンジニアと協業する業務部門の仲間や経営層への解説にご活用ください。
1 GPUとは
GPU(Graphics Processing Unit)は、PC内で画像処理などの特定のタスクを高速に処理することを目的とした専用の装置です。
主に画像処理やAI(人工知能)、科学計算などの分野で活用されています。CPU(Central Processing Unit)が一般的な演算や制御を担当するのに対し、GPUは大量のデータを並行して処理することが得意で、これにより高速な演算処理を実現しています。もともとは画像処理を目的に誕生しましたが、近年では機械学習などAI関連分野での活用が増加しており、生成AIのブームを追い風に、世界的に需要が高まっています。
2 GPUとCPUの違い
GPUとCPUには以下のような違いがあります。
2.1 設計思想と役割
CPUは一般的な演算や制御を担当するために設計されていて、プログラムの実行やOS(オペレーティングシステム)の管理などPCにおける幅広いタスクを処理します。一方、GPUは画像処理などの特定のタスクを高速に処理するために設計されています。GPUは、大量のデータを並列処理して高速なグラフィックス描画や科学計算を実行します。
2.2 コア数と処理方式
CPUは少数の高性能なコア(※1)を持ち、各コアは複雑なタスクを処理します。CPUのコアは、一般的に互いに連携してシーケンシャルに処理を行います。一方、GPUはCPUと比較して多数のコアを持ち、各コアは単純な演算を並列に処理します。GPUのコアは同時に複数のデータや命令を処理し、大規模なデータに対して高速な処理を実行します。
2.3 メモリへのアクセス
CPUは少量の高速なキャッシュメモリと主記憶(RAM)を使用し、一度に少量のデータを高速に処理することに最適化されています。一方、GPUは大容量のグラフィックスメモリ(VRAM)にアクセスします。また、GPUは、大量のデータを並列に処理するために、より多くのデータを高速にやりとりできる高帯域幅のメモリアクセスを必要とします。
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