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Microsoft、「Windows Server 2025」のパブリックプレビュー版をリリース AIワークロード向けなど追加機能は?:2024年中に一般提供開始
Microsoftは、Windows Serverの最新のLTSC(長期サービスチャネル)リリースとなる「Windows Server 2025」のパブリックプレビュー版のダウンロード配布を開始した。
Microsoftは2024年5月29日(米国時間)、Windows Serverの最新の長期サービスチャネルリリースとなる「Windows Server 2025」のパブリックプレビュー版のダウンロード配布を開始した。2024年中に一般提供を開始する計画だ。
MicrosoftはWindows Server 2025の主な特徴として、高度なセキュリティ、新しいAzureハイブリッド機能、既存アプリケーションやAI(人工知能)ワークロードのための高性能プラットフォームを挙げ、以下のように説明した。
セキュリティ機能
Windows Server 2025には、以下をはじめとする多くのセキュリティ機能が盛り込まれている。
- Active Directoryの新しいセキュリティ機能によるモダンでスケーラブルなID管理
- SMB(Server Message Block)の改善(SMB over QUICや、ブルートフォース攻撃、なりすまし、リレー攻撃に対する保護機能など)
- 再起動の少ないセキュリティ更新(Azure Arcに対応したホットパッチ機能、Active Directoryの新しいセキュリティ機能、SMBの堅牢《けんろう》化による)
ハイブリッド機能
Microsoftは、顧客の大半がハイブリッドまたはマルチクラウドを使用しているという認識から、Windows Server 2025で以下のようなAzureハイブリッド機能を提供する。
- SDN(ソフトウェア定義ネットワーク)のマルチサイト機能により、複数の場所にあるワークロードのネイティブL2およびL3接続が可能になり、ネットワークポリシーの統合管理が容易になる
- 柔軟なハイブリッドおよびマルチクラウド管理ツールにより、Azure Arcを通じてMicrosoft Azureの機能をデータセンターに導入できる
- Azure Arcをより迅速かつ簡単に使い始められるようにするウィザードインタフェースとシステムトレイアイコン
既存アプリケーションやAIワークロードのためのプラットフォーム
Windows Server 2025は、分散環境での巨大データセットの処理や、AIワークロードで要求される大規模データに対する多くの並列処理を支えるGPU、ストレージ、ネットワーキング、スケーラビリティ機能を提供する。
- 仮想マシン間のGPUパーティショニング、ライブマイグレーションとフェイルオーバークラスタリングのサポート。これらは、エッジでのAIワークロードと推論をサポートするように構築されている
- ネットワークのセットアップと問題解決にかかる時間を削減する新しいネットワークATC(Adaptive Traffic Control)機能とネットワークHUD(Health and Usage Dashboard)機能
- ストレージ性能の大幅な向上のサポートと、Hyper-Vのパフォーマンスとスケーラビリティの大幅な改善
- Windows Updateによる容易なアップグレード
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