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人生は勉強だから、いろいろなことを学ばないとGo AbekawaのGo Global!〜フィトリさんFromマレーシア(後)(1/2 ページ)

グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。今回もシステムエンジニアのHamel Fitri(ハマル・フィトリ)さんにお話を伺う。車のエンジニアから一転してソフトウェアエンジニアを目指したフィトリさん。立ちはだかった「面接の壁」をフィトリさんはどう乗り越えたのか。

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 国境を越えて活躍するエンジニアにお話を伺う「Go Global!」シリーズ。前回に引き続き、今回もシステムの開発、保守を担う、システムエンジニアのHamel Fitri(ハマル・フィトリ)さんにお話を伺った。フィトリさんが思う「日本語ができないと特に大変なこと」とは何か。

 聞き手は、AppleやDisneyなどの外資系企業でマーケティングを担当し、グローバルでのビジネス展開に深い知見を持つ阿部川“Go”久広。

仕事とは思えないくらい楽しい日々

阿部川 “Go”久広(以降、阿部川) 現在(2024年4月当時)はどんな仕事をしていますか。

Hamel Fitri(ハマル・フィトリ、以下、フィトリさん) システムエンジニアとして、自社のプロジェクトを担当しています。エンジニアと案件をマッチングさせるWebサイトの保守をしています。「エンジニアがやりたいこと」によって案件とエンジニアのフィルタリングを厳しくして、よりマッチしたものだけ選ぶようにしています。将来は恐らくAI(人工知能)を使うことになるでしょう。

阿部川 (2024年4月で)仕事を始めてから4年目になりますね。その間はどんな仕事していましたか。

フィトリさん コロナ禍のときに仮想空間の会議室を作りました。「Unity」のエンジンを使ってVR(仮想現実)空間を作ったんです。先生として後輩たちに教える役割でした。他には金融系システムにも携わりましたね。

阿部川 問題解決が好き、というお話だったかと思いますが、そういった仕事の中で「問題解決の楽しみ」は感じられていますか。

フィトリさん 全ての仕事が何らかの問題解決なので、むしろ仕事として感じられないですよね。とにかく楽しくて。日本に来て良かったです。

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「とにかく楽しいです」

阿部川 良かったですね。でも、しばらくしたらマレーシアに戻りたいでしょう。最近はいつマレーシアに帰りましたか。

フィトリさん 2023年です。4年ぶりでした。全てが変わっていましたね。

阿部川 4年たったらみんな変わりますよね。マレーシアに貢献したいし、ご家族もいらっしゃるし。でも目標があるから、今すぐに帰ることはまだできないといった感じでしょうか。

フィトリさん でも具体的にマレーシアに戻る計画はあります。実は2024年4月に結婚するのです。

阿部川 おめでとうございます! それ、最初に言っていただかないと(笑)。

フィトリさん ははは。4月にマレーシアで結婚式を挙げた後、妻と一緒にまた日本に戻ってきます。私だけだったら日本で長く生活できると思いますが、彼女のことを考えると、頃合いを見てマレーシアに戻った方がいいと考えています。

阿部川 奥さんは日本に来たことがあるのですか?

フィトリさん いえ、ありません。実は私もまだ彼女と会ったことがないのです。マレーシアではマリッジメールしかやっていません。母が奥さんを探して、私に紹介して、結婚する、という流れです。

阿部川 じゃあ、結婚式で初めて会うわけですね! でも、オンラインで話はできるんですよね。

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阿部川 “Go”久広

フィトリさん ちょっと厳しいですね。ビデオ通話はダメで、メールしかしちゃいけないんです。


編集中村
編集 中村

少し調べたところ、ムスリムは、親が結婚相手を探すのが一般的とのことです。イスラム教の教えとして、結婚していない男女が遊びに行ったり手をつないだりすることは推奨されないそうで、ビデオ通話すらダメな理由はそこにあるようです。びっくりしましたが、ムスリムの慣習的にはそこまで異例なことではないみたいですね。


阿部川 なんかドキドキしますね。俺がドキドキしてどうすんだって話ですけど。いやー、おめでとうございます。奥さんと一緒に素晴らしい家庭を作ってください。きっとマレーシアに戻ってからも日本の仕事の経験は役に立つと思いますから。

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後日送っていただいた結婚式(の準備中)の写真

 ちなみに日本で仕事をしていて印象に残っていることはありますか。

フィトリさん 真面目なところですね。仕事をするときもインテグリティ(誠実さ)が高いと感じます。良いエンジニアになりたかったら、インテグリティが大事だと思います。

阿部川 個人的には真面目過ぎるのは問題だとは思いますが、確かに日本人の強いところだとは思います。真面目であったり誠実だったりというのはとても大事ですね。

フィトリさん マレーシアの“ルックイーストポリシー”の目的は、そういった日本の仕事のやり方をマレーシアに持って帰ってほしいということですからね。

阿部川 フィトリさんのように、日本で学んで、マレーシアに戻って、日本で学んできたことをマレーシアのために使うというのは、面々と今も続いているんですね。

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