「自律的な学び」ができている人はエンゲージメントが高い IPAがデジタル人材の動向調査結果を発表:企業の持続性にも大きく影響
IPAは、「デジタル時代のスキル変革等に関する調査(2023年度)」の全体報告書を公開した。それによると、「自律的な学び」ができている人はエンゲージメントが高いことが分かった。
情報処理推進機構(IPA)は2024年7月22日、「デジタル時代のスキル変革等に関する調査(2023年度)」の全体報告書を公開した。これは年次で実施しているデジタル人材の動向調査の結果をまとめたもの。それによると自律的な学びができている人はエンゲージメント(仕事への満足度や貢献度)が高いことが分かった。
なお、ここで言う「自律的な学び」とは「自身の価値観やキャリア感、共感、興味などから、自身が探求心を持って主体的、能動的に学ぶ」こと。
自律的に行動できる人に選ばれるかどうかが「企業持続性」を左右する
学びへの取り組み状況を見ると「自律的な学びが習慣化されている人」の割合は10.7%、「(学びを)継続している人」は22.0%だった。データサイエンスやAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)などに携わる人(IPAは「先端IT従事者」と定義)に限ると、それぞれ12.5%と26.5%だった。
これら自律的な学びを習慣化、継続できている人は、人材市場での自身の相対的な位置について「十分に競争力がある」または「相対的な位置を把握している、しようとしている」と回答する割合が高かった。
自身が働きたいと思う企業に対して重視することについて聞くと、企業の文化や価値観、心理的安全性、学びと実務実践の場、支援に関することなどで、自律的な学びができている人の方が満足している傾向が強かった。「自律的な学びができている人はできていない人に比べてエンゲージメントが高く、企業との間で選び、選ばれる関係が構築できている」とIPAは分析している。
一方、IPAは「自律的に行動できる人材に選ばれることが企業の持続可能性を左右する」と指摘している。同社は、自律的な学びを促進するために必要な4つの要素(ドライバー)を挙げている。
- 自律的な学びを促進する企業風土、文化
- 自律的な学びの促進要素
- 自律的な学びの社内への拡大
- 自律的な学びの社外への広がり
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