「週休3日制かどうか」で採用率や定着率は変わるのか ガートナーがIT人材に関する調査結果を発表:「旧来のITに対応する人材でさえ不足」
ガートナージャパンは、日本企業のIT人材に関する調査結果を発表した。人材不足の課題解決のために、中途採用の積極化やフレキシブルな勤務時間の採用といった施策を実施している企業が多いことが分かった。
ガートナージャパンは2024年8月1日、日本企業のIT人材に関する調査結果を発表した。この調査は、年間売上高500億円以上の日本企業でITやデジタルの戦略策定に携わっている役職者を対象に実施したもの。それによると、組織の課題として「質的な人材不足」を挙げる割合が高かった。
2025年には約4割の日本企業が週休3日制を採用?
調査では不足している人材の種類についても尋ねた。選択肢として13種類の人材(「ITに限らず既存事業を運営する人」「クラウドなどを活用した近代的なITを推進する人」など)を挙げたが、いずれの人材についても大半が不足している状況で、「不足している」という回答(全くいない、人材はいるが大いに不足、多少不足している)を全て合わせると8割を超えた。
ガートナージャパンの一志達也氏(シニアディレクターアナリスト)は、「DX(デジタルトランスフォーメーション)やクラウド、AI(人工知能)といった比較的新しい技術に対応する人材だけでなく、基幹系システムなど旧来のITに対応する人材でさえ不足している。多岐にわたる質的な人材不足を補うには、多様な能力を持つ相当数の人材を獲得する必要がある」と述べている。
人材不足への対応策を見ると、トップは「中途採用の積極化」で47.3%(複数回答、以下同)。次いで、「インターン制度の活用」(31.8%)、「働き方改革の促進」(31.0%)、「新卒採用における条件の改善」(30.8%)などが続いた。
これに対して、人材の定着率やエンゲージメント向上のために採用している施策では、「フレキシブルな勤務時間」(59.1%、複数回答)や「リモートワーク」(58.8%)が上位を占めた。また、21.1%の企業は「週休3日制」を採用しており、「今後1年以内に採用する予定」という回答を合わせると、1年後(2025年)には約4割の日本企業が週休3日制を採用することになる。
一志氏は、「IT人材には専門性の高い技術的なスキルに加えて、理解力やコミュニケーション力などのソフトスキルも求められる。さらに、データ分析やAIなどの台頭でITの多様化も進んでいる。IT部門は独自のキャリアパスや処遇を整備し、IT専門人材に向けたブランディングで自社の魅力を伝え、必要な能力を備えた人材を獲得する努力が必要だ」と述べている。
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