検索
ニュース

基礎から学ぶ、「Model-View-Controller」デザインパターン重要な開発にこそ使える

TechTargetは「Model-View-Controllerデザインパターン」に関する記事を公開した。Model-View-Controllerデザインパターンとは、アプリケーションを「Controller」「Model」「View」のコンポーネントに分割して疎結合することで開発をシンプルにするという考え方だ。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 TechTargetは2024年9月4日(米国時間)、「Model-View-Controllerデザインパターン」に関する記事を公開した。

画像
Model-View-Controllerデザインパターンのチュートリアル(提供:TechTarget)

 Model-View-Controller(MVC)デザインパターンとは、アプリケーションを3つのコンポーネントに分割して疎結合することで、重要なアプリケーションの開発をシンプルにするという考え方だ。それぞれのコンポーネントは以下のような役割に分けられる。

  1. Controller(コントローラー):着信要求を処理する
  2. Model(モデル):要求の処理に関連するデータを保持する
  3. View(ビュー):レンダリングを処理する

 本稿は、MVCデザインパターンのチュートリアルとして以下を説明する。

  • MVCの仕組み
  • コントローラーの役割
  • モデルの役割
  • ビューの役割と実装方法
  • MVCデザインパターンのメリット

MVCの仕組み

 MVCデザインパターンの原則は極めてシンプルだ。

  • 着信する要求をコントローラーが処理し、クライアントが必要とするデータをモデルに送る
  • コントローラーの処理が終わったら、レンダリングのためにモデルがビューに渡される
  • レンダリングした結果をクライアントに送り返す

コントローラーの役割

 コントローラーの役割は、クライアントからの要求を処理することだ。コントローラーでは、次のタスクが実行される。

  • 着信する要求の有効性(妥当性)を検証する
  • 送信されたデータに関する入力を検証する
  • バックエンドのリソースを操作するコンポーネントを呼び出す
  • 要求を満たすために必要なデータを全て取得する

 コントローラーには、着信要求を処理し、クライアントがサーバに要求するデータを取得する役割がある。コントローラーによって取得されたデータは全てモデル内に保存される。

モデルの役割

 モデルの役割は、クライアントからの要求の処理に関連するデータを格納することだ。クライアントが使用(または参照)する必要があるデータは全て、モデルに格納される。

 ステートレスアプリケーションにおいてモデルに格納されたデータは、現在の要求、応答サイクルの間にだけ存続する。ステートフルアプリケーションでは、複数の呼び出しにわたってモデルが存続する場合がある。

 コントローラーの処理が完了し、モデルにデータが取り込まれたら、クライアントへの応答を生成する。その役割を担うのがビューだ。

ビューの役割

 ビューの役割は、モデルに格納されているデータをクライアントに提示することだ。

 クライアントからの要求に対して必要な全ての処理はコントローラーが実施し、処理中に取得されたデータはモデルに入力される。そして最後に、クライアントにそのデータが表示される。

ビューの実装方法

 ビューにはさまざまな実装方法がある。

  • RESTfulなWebサービスの場合、ビューは単にJSONをレンダリングする
  • Webベースのクライアントの場合、ビューはHTMLページを生成する
  • デスクトップアプリケーションの場合、ビューはGUI(Graphical User Interface)を作成するツールである「JavaFX」や「Tkinter」(Pythonの標準ライブラリに付属)を使って構築する

 いずれの場合でも、ビューはアプリケーションとのやりとりの結果を、表示デバイス互換のビューとしてレンダリングする。

MVCデザインパターンのメリット

 MVCデザインパターンはシンプルなのに強力だ。MVCが提供する「疎結合性」と「コンポーネントの分離」によって、多くの利点が得られる。MVCによって得られる代表的なメリットは以下の通り。

  • 並列開発ができる
  • 依存関係が分離されるため、テストが簡単になる
  • メンテナンスとアップグレードのパスがシンプルになる

 MVCデザインパターンは、業界で広く利用されている。「Angular」のようなJavaScriptフレームワークから「Spring MVC」のようなJava標準に至るまで、MVCベースのアプローチは、回復力や信頼性の高いソフトウェア開発手法として実証されている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る