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Herokuの次世代クラウドネイティブPaaSプラットフォーム「Fir」登場 何がすごいのかオープンソースの標準技術をベースに構築

PaaSを提供するHerokuは、オープンソース標準とクラウドネイティブ技術に基づいて構築された最新のHeroku技術スタック「Fir」を紹介するブログエントリを公開した。Firはクラウドネイティブなアプリケーション開発プラットフォームだ。

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 PaaSを提供するHerokuは2024年12月3日(米国時間)、オープンソース標準とクラウドネイティブ技術に基づいて構築された最新のHeroku技術スタック「Fir」を紹介するブログエントリを公開した。Herokuは以下のように説明している。

オープンソースの標準の採用と新規開発

 Firは、アプリケーションの移植性、相互運用性、そして活発なエコシステムを提供するアプリケーション開発プラットフォームで、クラウドネイティブな技術とオープンソースの標準に基づいて構築されている。Open Container Initiative(OCI)、Cloud Native Buildpacks(CNB)、OpenTelemetry、Kubernetesといった技術を採用することで、強力かつ柔軟なプラットフォームを実現している。

Open Container Initiative と Cloud Native Buildpacks

 現在、OCIイメージが新しいクラウド実行ファイルとなっている。OCIの採用により、Firは異なる環境間で互換性を保つイメージを使うことになる。つまり、アプリケーションを一度構築すれば、ベンダーロックインや互換性の問題を気にせずに、ローカルで実行し、どこにでもデプロイできるようになる。

 コンテナイメージの構築は複雑で管理が難しいことがある。そのため、HerokuはPivotalと共同でCloud Native Buildpacks(以下、CNB)を開発した。導入拡大と継続的な開発を確保するため、このプロジェクトをCloud Native Computing Foundationに寄贈し、dockerfileなしでソースコードから直接コンテナイメージを構築する方法を標準化し確立した。2024年初頭、Herokuはサポートしている全言語のCNBをオープンソース化した。これらのCNBは、これまでのビルドパックでの経験と運用ノウハウに基づいて構築されている。そのため、開発者はコンテナ化の複雑さを気にすることなく、コードに集中できる。

OpenTelemetry

 OpenTelemetryはテレメトリーデータの収集と分析のための標準化された方法を提供している。FirはOpenTelemetryと統合されており、アプリケーションにupstreamのSDKを組み込むだけでなく、Heroku Metricsプロダクトの基盤としても活用されている。これらのランタイムやネットワークのテレメトリー信号は、OpenTelemetry対応の監視、分析ツールとも簡単に統合できる。オープンソースのソリューションでも、商用プロバイダーでも、Firと組み合わせて観測性パイプラインを簡単に構築できる。

Kubernetes

 Firはクラウドネイティブ基盤にKubernetesを採用することで、アプリケーションのリソースやパフォーマンスを細かく制御できるようにしている。Kubernetesの複雑さは抽象化されているため、開発者はKubernetesを直接操作することなく開発に専念できる。

フルスタック開発者のためのプラットフォーム

 Firは、世界的に評価されている開発者体験を基盤としながら、セキュリティと安定性を堅固な土台として構築されている。

 具体的には、Firには以下のような特徴がある。

  • 効率的なデプロイ:Cloud Native Buildpacksを使用し、コンテナ化の複雑さを自動的に処理しながら、単一のコマンドでコードをデプロイできる
  • 簡単なスケーリング:Kubernetesをバックエンドで活用して最適な設定値がデフォルトで適用されることで、アプリケーションを容易にスケーリングできる
  • 統合された観測性:OpenTelemetryを活用し、FirおよびHeroku Metrics製品と完全に統合してアプリケーションのパフォーマンスに関する洞察を得られる

今後の展望

 2024年12月3日、Herokuはアプリケーション実行環境「Cedar Generation Private Spaces」に類似した「Fir Private Spaces」のパイロット版を立ち上げた。今後のロードマップには、以下のような計画が含まれる。

  • 「AWS VPC PrivateLink」や「AWS Transit Gateway」を通じたアプリケーションの公開を含む強化されたネットワーク機能
  • マルチテナント向けFirなどの分離とサンドボックス使用例を拡張
  • ソフトウェア部品表(SBOM)の生成と暗号化署名されたビルドの起源を含むソフトウェアサプライチェーンセキュリティ

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