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世界のAI投資額、1分間に121万ドル超 前年比312%増 Domo調査生成AIがもたらすインパクトを「1分間に〜」で可視化

生成AIの活用が広まる中、Domoは年次レポート「Data Never Sleeps:AI版」で、そのインパクトを1分間という単位で可視化した。世界のAI投資額は1分間に121万ドル超となるなど生成AIは加速の一途をたどっている。

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 生成AI(人工知能)が日進月歩で進化を遂げ、「人手不足」など積年の経営課題を解決する手段としても注目を集め、企業の間でも導入の動きが広まっている。一方、従業員が非公式に生成AIを利用する「シャドーIT」、生成AIを悪用するリスク、データガバナンスといった課題も顕在化しつつある。

 では、こうしたリスクをどこまで認識すべきなのか。社会全体におけるAIの浸透はどう進んでいるのだろうか。

 Domoは、インターネット上で毎分生成された膨大なAIデータの利用状況や、AIが日常生活にもたらしている影響を分析し、その調査結果を「2025 Data Never Sleeps:AI版」として発表した。

急増する投資と利用意欲が示す、生成AI活用の現在地

世界のAI投資額

 世界のAI投資額は、2024年の毎分29万3000ドルから、2025年は毎分121万ドル以上に急増し、前年比312%増となった。

スタートアップへの投資

 AIのスタートアップ(新興企業)は、毎分18万4046ドルのベンチャーキャピタル(VC)資金を調達している。

コンピュータチップの販売数

 毎分190万個のコンピュータチップが販売されている。

ChatGPTの利用規模

 ChatGPTに毎分6億9400万のプロンプトが送信されている。

カスタムGPTの作成

 OpenAIのユーザーは、毎分約35のカスタムGPT「GPTs」を作成している。

作業時間短縮

 職場でのAI活用が広がるにつれ、従業員はAIを使うことで、平均して123万時間を節約している。Domoは「140年分を超える生産性向上に相当する」と分析している。

画像生成

 毎分2万3611枚の画像がAIを使って生成されている。

DeepSeekの利用規模

 毎分34万7000以上のタスクが大規模言語モデル(LLM)の「DeepSeek」で実行されている

AIによる詐欺電話

 AIが生産性を向上させる一方で、迷惑行為や違法な手段に悪用されるケースもある。米国では、AIを利用した詐欺電話が毎分10万9444件発生している。

スキルアップの影響

 職場でAIスキルが求められるようになる中で、毎分6人が生成AI関連のトレーニングコースに登録している。

 Domoのプロダクト担当シニアバイスプレジデント、ベン・シャイン氏は「人々が自分の能力を高めるツールを強く求めていることを明確に示している。宿題に取り組む学生から、業務を効率化するためにAIを活用するビジネスパーソンまで、AIは『人間の代わり』ではなく、『人と共に成果を出すパートナー』として受け入れられている」と述べている。

2025 Data Never Sleeps:AI版のインフォグラフィック(提供:Domo)
2025 Data Never Sleeps:AI版のインフォグラフィック(提供:Domo)

 生成AI投資や、ChatGPTあるいはDeepSeekの活用状況を見ても、社会全体で生成AIの活用が進展しつつあることがあらためて浮き彫りとなっている。企業は、従業員の自発的な生成AI活用の動向を把握し、生成AIに関するガイドラインを策定する必要がある。生成AIを導入するなら安全な利用環境を整えるとともに、従業員の生成AIスキルアップ支援の取り組みにも注力するなど、倫理や教育、人材育成といった多角的な視点から取り組む必要があるだろう。

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