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コード補完以外の「GitHub Copilot」活用法GitHubのシニアデベロッパーが解説

GitHubは、公式ブログで「GitHub Copilot」の実践ガイドを公開した。従来のコード補完に加え、課題管理やエージェント活用、ライブ試作など、IDEを使わずに開発ワークフローを強化する方法を紹介している。

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 GitHubは2025年8月27日(米国時間)、公式ブログで「How to use GitHub Copilot on github.com: A power user’s guide」と題した記事を公開した。著者はGitHubシニアデベロッパーアドボケートのアンドレア・グリフィス氏。同記事では、従来のIDE(統合開発環境)における自動補完やコード提案機能にとどまらない、ブラウザ上での「GitHub Copilot」(以下、Copilot)活用について解説している。

 同氏が紹介する活用方法は以下の5つだ。

  • スクリーンショットから課題作成
  • AI(人工知能)エージェントによる修正提案
  • 「GitHub Spark」によるプロトタイピング
  • 複数モデルの切り替え
  • 会話スレッドの枝分かれ

スクリーンショットから課題作成

 バグのスクリーンショットをドラッグ&ドロップし、簡単なプロンプトを添えるだけで、Copilotが自動的にタイトルや説明文、ラベルを付与したIssueを生成する。

 例えば、UI(ユーザーインタフェース)のアイコンが重なって表示される不具合を報告する場合、スクリーンショットを「github.com/copilot」のチャットにドラッグし、以下のプロンプトを入力する。


「バグラベルを付与し、このリポジトリのUIテンプレートを用いて新規Issueを作成」(提供:GitHub

 Copilotは画像を解析し、タイトルや詳細説明を生成、適切なラベルやテンプレートを自動適用する。手作業に比べ、記録漏れやあいまいさを防げる利点がある。

AIエージェントによる修正提案

 生成したIssueに「自分をアサインし、修正案を作成」と指示すると、Copilotがコードを解析し、修正を含むドラフトプルリクエストを自動で提出する。


「自分をアサインし、修正案を作成」(提供:GitHub

 単純なバグ修正やドキュメント更新、依存関係のアップデートなどの日常的な作業を任せることで、開発者はより高度な開発に集中できる。

 グリフィス氏は「エージェントはチームメイトのように横断的に課題をこなし、ワークフローを追跡できる」と説明する。

GitHub Sparkによるプロトタイピング

 例えば、以下のようなプロンプトを入力すれば、チェック付きの表を備えた動作コードとプレビューがすぐに生成される。


「Free/Pro/Enterpriseプランを比較する料金表を作成」(提供:GitHub

 結果はGitHub Spark上で編集でき、「GitHub Codespaces」や「Visual Studio Code」(VS Code)に切り替えて詳細なデバッグも可能だ。短時間で動作検証でき、新しい構文の学習や設計案の共有に有効だ。

複数モデルの切り替え

 「GPT-4.1」「Claude Sonnet 4」「Opus 4」といった異なるモデルを選択して比較し、タスクに最適な回答を選べる。

 記事では「GPT-4.1は一般的なコーディングと推論」「Claude Sonnet 4は大規模リファクタリングやコンテキスト重視タスク」「Opus 4は創造的な代替案検討」など、使い分け例を挙げている。スレッド内でモデルを切り替えながら出力を比較すれば、誤生成を減らし精度を高められる。

会話スレッドの分岐

 Copilotの会話分岐機能では、同一の質問に対する異なるモデルの回答を「ブランチ」(枝分かれ)形式で保存できる。これにより、複数のリファクタリング案やアーキテクチャ設計を並行して比較でき、コンテキストが混ざる心配もない。異なるリファクタリング案や設計パターンを比較検討するのに有効だという。



 グリフィス氏はIDEとの戦略的な使い分けを提案している。「github.com版Copilot」はリポジトリ間の課題管理や試行錯誤の場として、IDEは詳細実装やデバッグの場として補完的に使うことで、1日の開発サイクル全体をカバーできるという。

 同氏は「Copilotを単なる補完ツールではなく、開発ワークフロー全体を編成するオーケストレーターとして活用すべきだ」と結論づけている。

このニュースのポイント

Q: 紹介された主な活用方法は?

A: 「スクリーンショットから課題作成」「AIエージェントによる修正提案」「GitHub Sparkによるプロトタイピング」「複数モデルの切り替え」「会話スレッドの分岐」の5つ。

Q: スクリーンショットから課題作成ではどんな機能があるか?

A: スクリーンショットをドラッグ&ドロップし、簡単なプロンプトを追加するだけで、CopilotがIssueのタイトルや説明文、ラベルを自動生成する。

Q: AIエージェントによる修正提案の特徴は?

A: Issueに指示するとCopilotがコード解析し、修正を含むドラフトプルリクエストを自動提出できる。バグ修正や依存関係更新など日常作業を任せられる。

Q: GitHub Sparkを使ったプロトタイピングの利点は?

A: 短時間で動作コードとプレビューを生成でき、CodespacesやVS Codeに切り替えてデバッグ可能。新しい構文の学習や設計案の共有に有効。

Q: 複数モデル切り替えと会話スレッド分岐の活用は?

A: モデルごとの強みを比較し最適解を選べる他、分岐形式で複数のリファクタリング案を並行検討でき、コンテキスト混在を避けられる。

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