生成AIは3年以内に標準機能に AIベンダーは差別化のために何をすべきか、Gartner提言:2026年までに期待する成果を達成する生成AIプロジェクトは2割未満
2026年には生成AI搭載ソフトウェアへの支出が非搭載製品を上回る。
Gartnerは2025年9月29日(米国時間)、AI(人工知能)ベンダー競争の最新動向を分析したレポート「The AI Vendor Race: What It Takes to Win in Volatile Conditions」を公開した。AIテクノロジースタック全体でAIベンダーの競争が繰り広げられている中(下図参照)、大手から新興ベンダー、新規参入企業まで、どのベンダーがこれらの競争に勝利する立場にあるかを調査している。
生成AIの優位性は急速に薄れており、他のイノベーションサイクルと比べても速いペースで失われつつある。Gartnerは、今後36カ月以内に生成AIがあらゆるソフトウェア製品・サービスの基本要件となり、2026年には生成AI搭載ソフトウェアへの支出が非搭載製品を上回ると予測している。
生成AIモデル市場は2025年に前年比149.8%増の140億ドル超に達し、2028年には年間38%の成長率で安定する見通しだ。AIサーバ市場は2025年に90.9%成長し、2027年までにほぼ全ての高性能コンピューティングデバイスがAI対応になるという。
AIベンダーの競争によってテクノロジービジネスが再編されつつあり、あらゆるテクノロジープロバイダーは、進化する環境で競争して勝利するために何が必要かを再評価する必要があるという。レポートでは「プロバイダーとユーザー企業の従来の価値関係ではAIの導入は促進されず、AIツールを販売して顧客企業が価値を見いだすことを期待するだけでは不十分だ」と説明している。
Gartnerのグループバイスプレジデント、アンソニー・ブラッドリー氏は「2026年までに期待する成果を達成する生成AIプロジェクトは2割未満」と予測。「プロバイダーは、機能的でユースケース指向のAIから、ミッションクリティカルな取り組みに結び付いた真のビジネス成果をもたらすアプローチに転換する必要がある」と提言した。
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