Gartnerが分析、「AI覇権争い」を先導する“勝ち組”ベンダー:エージェント型からセキュリティ、LLMまで分野別に評価
GartnerはAI関連ベンダーの競争を分析した結果を発表。各分野のトップベンダーを特定した。
調査会社Gartnerは2025年12月17日(米国時間)、AI(人工知能)関連ベンダーの競争を調査したレポートを発表した。同社は独自の評価手法に基づき、約30分野におけるそれぞれの“フロントランナー”を選定している。
同社は技術的能力、顧客における実装、潜在的な顧客基盤、ビジネスモデル、主要なパートナーシップの6つの観点から、AI関連の各分野で優位に立っているベンダーを特定した。分析では、アナリストチームがエンドユーザーやベンダーとの対話、ピアレビュー(同業者による評価)、公開データ、独自の市場調査データを組み合わせて評価したという。
AI関連の5カテゴリーと代表的な勝ち組ベンダー
今回の調査で、GartnerはAI関連分野を以下の5カテゴリーに分類している。
- データ&インフラストラクチャ
- AIデータプラットフォーム、カスタムAIシリコン(専用半導体)、エンタープライズAIインフラサービスなど
- モデル&エージェント
- エージェント型AIプラットフォーム、自律型ソフトウェアエンジニアリングエージェント、大規模言語モデル(LLM)など
- サイバーセキュリティ
- AIセキュリティプラットフォーム、ディープフェイク検出、AIを活用した高度なサイバーディセプション(AIで最適化されたおとりによる高度な防御)など
- ソリューション
- CRM(顧客関係管理)AI、地球インテリジェンス、エンタープライズAIなど
- インダストリー
- 製造業向けAI、医療業界向けAI、モバイル通信、ネットワークおよびサービス向けAIなど
以下は、その代表的な分野で優位に立つベンダーだ。
エージェント型AI分野
エージェント型AIプラットフォーム分野では、Googleが優位になった。高度な推論モデルやインフラを含む、エージェント型AIの統合的な技術スタック、傘下のAI研究開発企業Google DeepMindを通じた投資などが評価された。競合他社はモデルの革新や、特定のビジネス課題を解決する「エキスパートエージェント」の開発でシェア獲得の機会がある。
AIセキュリティプラットフォーム分野
AIセキュリティプラットフォーム分野では、Palo Alto Networksが他社をリードする存在だという。Protect AIの買収やCyberArkの買収合意など積極的なM&A(合併・買収)戦略に加え、広範な展開チャネルや独自の研究体制が強みだ。この分野はベンチャーキャピタルの投資やスタートアップの参入により、競争が非常に激化している。
エンタープライズAI分野
エンタープライズAI分野では、Microsoftがトップベンダーの地位を確立している。パートナーおよびプラットフォームのエコシステム、業務アプリケーションやデータの制御、AIツールの拡張性、ガバナンスプラットフォームなどを含め、インフラからアプリケーションまで広範にプレゼンスを発揮しており、バックエンドとフロントエンドにAIをより容易に統合することを可能にしている。
LLM分野
LLM分野では、OpenAIが先駆者として優位な地位を確立している。「ChatGPT」の普及に加え、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を通じたアクセス、Microsoftのクラウドサービス群「Microsoft Azure」や各種アプリケーションへの組み込みが普及を後押しした。競合他社が追撃するには、モデルのサイズ、モダリティー(多様なデータ形式への対応)、特定業界向けへの特化、および倫理的で信頼性の高いAI開発への注力が求められる。
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