ニュース
「ネオクラウドは独走」「電力求めて宇宙へ」 データセンターの常識が変わる5大潮流:今後10年の変化を予測(2/2 ページ)
ABI Researchは、データセンター市場の今後10年間のトレンドをまとめた。ネオクラウドの台頭や2031年におけるAIワークロードと従来型ワークロードの逆転、軌道上データセンターの台頭など、5つの重要動向を解説している。
5.地上電力不足で宇宙データセンターが商業化へ
地上のエネルギー制約などを背景に、軌道上データセンター(ODC)への関心も高まっている。宇宙ではエネルギー源として太陽光が得られる。ABI Researchは、2035年までに1万8000基以上のODCが配備され、実効計算能力は1.54GWに達すると予測する。
プリンシパルアナリストのアンドリュー・カヴァリエ氏は「根本的な課題は、必要な場所に適切なタイミングで電力を供給できるかどうかにある。データセンターの送電網への接続に10年近くかかる地域もある中、急増する計算需要を満たす代替策としてODCに注目が集まっている」と指摘する。
初期のODCはキロワット規模のエッジ環境で、防衛やインテリジェンス、地球観測(EO)、CaaS(Compute as a Service)などでの利用が想定されている。
一方、大規模なハイパースケールODCでは、SpaceX、Starcloud、Amazon.com、Googleなどが開発を主導する。ABI Researchは、宇宙空間に設置されるハイパースケールデータセンターは、思い描ける理想の姿だと強調している。打ち上げコストの低下や宇宙放射線などの技術的課題への対応が進めば、商業打ち上げは2030年代に実現する可能性がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「光ファイバーはもう古い」「2035年宇宙の旅」 実運用へ向かうデータセンター新技術
AI利用が加速する一方、データセンターは電力や土地、データの長期保存といった課題に直面している。そうした中で台頭してくる可能性がある、データセンター関連の新技術をまとめた。
ネオクラウドはなぜ「AWS、Azureとは別物」なのか? クラウド利用の常識は静かに変わりつつある
調査会社Synergy Research Groupは、ネオクラウド市場が2031年までに約4000億ドル(約62兆円)規模に達するとの予測を発表した。AIインフラ需要の急増が成長をけん引する。
サーバラック電力は従来の10倍超え、大阪で着工した次世代データセンターとは?
SCゼウスは、大阪市内で日本第1号となるデータセンター「Zeus OSA1」を建設する。100MWの電力供給を確保し、最新の液冷方式の採用により1ラック当たり最大130kWの電力密度に対応する。
KDDIの堺DCでも採用 Google Cloudのソブリンクラウドを具体的に説明
Google Cloudが日本国内で「ソブリンクラウド」ソリューションを強化している。KDDIやNTTデータはこれを採用し、顧客への提供を進めている。どんなものなのかを具体的に解説する。
従来サーバと何が違う? GPU増設では越えられない「AIインフラの壁」の正体
生成AIを自社環境で本格運用する際、最初に直面する可能性があるのが「インフラの壁」です。AIシステムの安定稼働や、性能確保のために押さえておくべきAIインフラの基本的な知識について、GPUサーバや冷却・電力設備、ストレージなどの観点から解説します。