「ChatGPTを抜いた」 いま開発会社が実務で使うAIの2強とは? 263社実態調査:最大の経営課題は「エンジニア採用」「体制強化」ではない
発注ナビは、加盟するシステム開発会社263社を対象にした実態調査の結果を公開した。最も解決したい経営課題は「営業リソースの不足」で、46.0%が挙げている。
システム開発会社の比較・検討サイト「発注ナビ」を運営する発注ナビは2026年8月5日、加盟企業を対象とした「システム開発会社の実態調査2026」の結果をまとめたホワイトペーパーを公開した。調査はWebアンケートの自社調査として実施し、加盟企業263社から有効回答を得た。加盟企業を対象としているので、案件獲得に関心の高い企業の傾向が反映されている点に留意が必要だとしている。
「ChatGPTを抜いた」 いま開発会社が実務で使うAIの2強とは?
トレンド収集や実務課題の解決で最も参考にしている媒体としては、80.2%が「AIの活用」を挙げ、「専門メディア・ニュースサイト」の52.1%を大きく上回った。「SNS」が32.3%、「特定のコミュニティー・交流会」が27.4%で続いている。
最も利用しているAIツールを自由記入で尋ねた結果は、「Claude」が48.2%、「Gemini」が47.5%、「ChatGPT」が24.8%だった。一般的な認知度ではChatGPTが高い一方、実務の現場ではClaudeやGeminiがより多く利用されている実態が明らかになったとしている。回答は2026年5月時点のもので、生成AIの利用動向は短期間で変動する点に注意が必要だという。
システム開発会社では、コーディング支援、技術調査、要件整理、ドキュメント作成など、用途に応じてAIツールを使い分ける動きが進んでいると考えられ、AIが情報収集ツールにとどまらず日常業務を支える実務ツールとして定着しつつあると分析している。
最大の経営課題は「エンジニア採用」「開発体制の強化」ではない
経営において解決したい課題(複数回答)で最も多かったのは営業リソースの不足で46.0%。「営業体制の強化・セールススキルの底上げ」が39.9%、「自社プロダクト(SaaS)への事業転換」が29.3%で続き、営業に関する課題が上位を占めた。
多くのシステム開発会社ではエンジニア採用や開発体制の強化を優先してきた一方で、営業部門への投資や組織づくりは十分に進んでいない実態がうかがえるという。利益率の高い直請け案件の獲得、新規顧客の開拓、自社サービスの販売拡大を進めたいという経営方針があっても、それを実行する営業リソースが不足していることが大きな経営課題になっていると発注ナビは分析している。
直請け比率が増えた企業の64.2%で営業利益率が向上
前年度と比較した営業利益率の変化と直請け案件比率の変化をクロス集計したところ、直請け比率が「増加した」企業67社のうち64.2%に当たる43社が、営業利益率も「向上した」と回答した。直請け比率が「減少した」企業26社では、73.1%に当たる19社が「営業利益率が低下した」と回答している。直請け比率が「変わらない」企業144社では、営業利益率が「向上した」「低下した」がともに36社だった。
二次請けなどの多重下請け構造では利益率が圧迫されやすい一方、直請け案件では顧客との直接的な関係構築や提案機会の増加が収益性の向上につながる可能性があるとしている。直請け案件を増やすには新規顧客の開拓や提案力の強化といった営業活動が必要になるので、営業体制の強化が収益改善に向けた重要な要素の一つになるという。なおこの関係はクロス集計に基づく相関を示したものであり、因果関係を示すものではないと注記している。
成長に向けた3つのポイント
発注ナビは調査結果を踏まえ、今後の成長に向けて重要になるポイントとして次の3点を挙げた。
- 継続的な営業体制の構築:紹介や兼務に依存した営業体制から脱却し、継続的に案件を獲得できる仕組みを作る
- AI活用による生産性向上:情報収集にとどまらず、開発現場を含む日々の業務効率化を支えるツールとしてAIを活用する
- 外部リソースの活用:自社だけで営業体制を強化することが難しい場合、営業支援サービスやビジネスマッチングなど外部のリソースで案件獲得の機会を広げる
技術力に加え、営業体制、生産性向上、案件獲得チャネルの3つをどう強化していくかが、今後の事業成長を左右する重要な要素になるとしている。
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