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建築業でも「Claudeの有料導入」が急増 AI導入レベルが上がった企業を悩ます「新たな壁」とは特定部署以上でのAI活用が半年で7割に急拡大

建築AI経営研究会は、「建築AI経営実態調査」の結果を公開した。特定部署以上でAIを活用する企業が68.5%に達したことが判明した。課題は導入初期の試行錯誤から「新たな壁」にシフトしている。

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 住宅や不動産事業、AI教育事業を手掛けるLIFEFUND(静岡県浜松市)が運営する「建築AI経営研究会」は2026年8月13日、建築・建設業の経営者を対象に実施した「建築AI経営実態調査」の最新結果を公開した。同調査は2026年3月に開始した定点観測調査の第3回。特定部署以上でAIを活用する企業が3月時点の43.4%から68.5%に拡大したことが判明した。経営者の関心は導入初期の試行錯誤から「新たな壁」にシフトしている。

特定部署以上でのAI活用が7割に急拡大、どのレベルまで達した?

 建築・建設業界におけるAI活用レベルの定点観測では、組織的な導入が急速に進展している状況が浮き彫りとなった。

 同調査ではAIの活用深度を4段階で定義している。「特定部署以上でAIを活用している」とする「Level2」以上の企業の割合は、2026年3月の43.4%から6月には61.3%、8月には68.5%に推移した。半年間で25.1ポイント上昇し、全体の約7割に達している。

 これで「個人利用にとどまる」とした「Level1」の企業は、3月時点の56.6%から8月には31.5%に25.1ポイント減少した。個人の裁量による利用から、部署や組織単位での実務活用へと移行が進んでいる。

 自社データを学習させた独自AIを構築して運用する先進層を示す「Level4」の割合は、3月の3.8%から8月には9.3%に増加した。全回答者の平均活用レベルスコアも、3月の1.57から6月に1.84、8月には2.02へと着実に上昇しており、業界全体で底上げが進んでいる。


AI活用レベルの定点比較結果。特定部署以上でAIを活用する企業が43.4%から68.5%に拡大(提供:LIFEFUND

ツールが“定着”から“高度化”へ、開発・知的生産系が台頭

 企業として費用を負担して導入しているAIツールの有料導入率では、特定ツールの定着と高度な知的生産ツールの台頭という傾向が見られた。

 「Claude」の有料導入率は、2026年3月の18.9%から6月の71.0%に急拡大し、8月調査でも70.4%と約7割の高水準を維持して定着した。Googleの「Gemini」も高い有料導入水準を保っている。

 2026年8月調査で顕著だったのは、コード生成やリサーチ、知的生産に特化したツールの急速な普及だ。具体的なツールの導入率は以下の通り。

  • コード生成支援AI「Claude Code」:57.4%
  • リサーチ支援AI「NotebookLM」:53.7%
  • コード生成支援AI「Codex」:25.9%

 チャット型AIによる汎用(はんよう)的な文章生成にとどまらず、開発支援や自社リサーチなど、業務プロセスの深部に踏み込んだ多様なツールの組み合わせ活用が進んでいる。


会社AIツール有料導入率の定点比較。ツールが“定着"から"高度化”へ ― Claude定着、開発/知的生産系が台頭(提供:LIFEFUND

経営の障壁は「初期の優先順位付け」からシフト

 AIを経営に生かす上での課題項目には、導入フェーズの進展に伴う明確な変化が現れている。

 2026年3月時点で最大の障壁として挙げられていた「何から始めればよいか優先順位が見えない」という回答は、3月の50.9%から8月には31.5%へと19.4ポイント縮小した。導入の入り口における迷いは解消に向かっている。

 一方で増加したのが組織内の体制や推進力についての課題だ。「活用できる社内人材がいない・育っていない」という回答は、3月の7.5%から8月には20.4%へと12.9ポイント上昇した。ツールの導入自体が完了した結果、現場で使いこなせる人材の不足が顕在化している。

 「相談できる専門家やパートナーがいない」という回答も3月の11.3%から8月には27.8%へと16.5ポイント上昇した。自社単独での運用から高度化を目指す局面において、外部の専門的な伴走支援を求めるニーズが強まっている。


AIを経営に生かす上での最大の壁は「人材が育たない」という回答が増加傾向(提供:LIFEFUND

「AIは業績を変えた武器」との回答が増加、効果の定量把握も進む

 AI導入による成果の実感度や競合に対する意識でも、実務的な評価への移行が見て取れる。

 「AIは既に業績を変えている武器だ」と回答した経営者の割合は、2026年3月の9.4%から6月の19.4%、8月の25.9%に伸長し、およそ4社に1社が明確な経営効果を実感している。「AIは武器になると確信する」という期待段階の回答は微減傾向にあるものの、期待が成果実感に置き換わりつつある。

 同業他社の動向に対する見方としては、「進んでいて危機感がある」との回答が3月の26.4%から8月には42.6%へと16.2ポイント上昇した。他社の活用スピードに対する警戒感が高まっている。


「AIは武器になると確信する」という回答が微減、一方で「業績変えた武器」という回答が増加傾向にある(提供:LIFEFUND

 活用の投資対効果(ROI)の把握状況についても改善が見られる。効果を「時間短縮・工数削減など業務数字で把握している」と答えた割合は、3月の15.1%から8月には24.1%へと9.0ポイント増加した。

 これで「効果がまだ出ていないので把握できていない」という回答は、3月の47.2%から8月には20.4%へと26.8ポイント大幅に減少した。感覚的な期待から、具体的な業務数値を用いた定量評価の段階へと進みつつある。


AI活用の効果を「時間短縮・工数削減など業務数字で把握している」という回答が増えている(提供:LIFEFUND

見積もりや設計など現場業務のAI開発モニターには前向き

 実務課題の解決に向けた業界特化型サービスへの関心も高い水準を示した。建築業界向け業務改善サービスの開発モニターへの参加意向を尋ねたところ、「ぜひ参加したい」(29.6%)と「内容次第で参加したい」(57.4%)を合わせて87.0%の経営者が前向きな姿勢を示した。見積もりや積算、設計や図面作成、経理処理など、建築や建設の現場実務に直結する業務領域でのAI実装に対する期待がうかがえる。


2026年3月の調査開始から2026年8月の最新調査結果までのサマリー(提供:LIFEFUND

 建築AI経営研究会は調査結果を総括し、建築/建設業におけるAI活用が「導入して試す」から「組織で成果を出す」フェーズへと確実に移行していると分析。今後、経営者同士の実践知の共有を通じて、人材育成や社内浸透、効果の定量化に向けた取り組みを支援する方針を示している。

 なお同調査の有効回答数は、2026年3月調査で53人、2026年6月調査で31人、2026年8月調査で54人となっている。

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