サイバーエージェント、月3万円の“AI手当”で「Claude Code」「Codex」利用急増 代わりに“使われなくなった”のは?:エンジニア約1200人対象の導入支援から1年、開発現場で変わったこと
サイバーエージェントがソフトウェア開発向けAIエージェントの利用支援を始めて1年。開発におけるAIツールの“主役”が変わり、AIの役割までもが変化したという。それはどういうことなのか。実態を追う。
サイバーエージェントは「2028年までに全社の開発プロセスを完全自動化する」という目標を掲げる。2025年6月には、ソフトウェア開発を支援するAIエージェント(以下、開発AIエージェント)の導入に年間約4億円を投資する方針を示し、利用費として1人当たり月額200ドル(約3万2000円《1ドル=約160円換算》)を補助する制度を始めた。開発業務に携わるエンジニア約1200人が対象だ。
制度導入から2026年6月で1年が経過した。「この1年は、開発AIエージェントが開発現場に定着した1年だった」と、サイバーエージェントの専務執行役員(技術担当)、長瀬慶重氏は振り返る。当初は年間約4億円規模の投資を想定していたものの、開発現場での活用が想定を大きく上回るスピードで拡大。投資規模は当初の計画を大幅に超える水準になったという。
開発AIエージェント急拡大の一方で“大幅に減ったもの”
サイバーエージェントでは開発AIエージェントの活用が広がり、「Claude Code」「Codex」などの開発AIエージェントのライセンス数や利用トークン数が大幅に増加しているという。一方で大きく減ったものもあると、同社は説明する。
それはGitHubのコーディングアシスタント「GitHub Copilot」によるソースコード補完の生成回数であり、この1年で約75%減少した。背景には開発スタイルの変化がある。
これまでサイバーエージェントでは、エンジニアがエディタでソースコードを書きながら、GitHub Copilotによるソースコード補完を受けるスタイルが中心だった。現在では、開発AIエージェントに実装やテストを依頼し、AIが生成した成果物を人がレビューして改善するスタイルへと変化した。
仕様書の作成工数7割減など各部門で成果
サイバーエージェントにおけるAI活用は、一部の先進的なエンジニアによる取り組みから、開発組織全体へと広がった。要件定義や設計、実装、ソースコードレビュー、テスト、ドキュメント生成など、開発プロセス全体で活用することが日常的になっているという。
開発AIエージェントの活用が広がる中、さまざまな事業部で定量的な効果が現れている(図)。具体的には監視業務のスピードを約10倍に高めた事例や、仕様書の作成工数を約70%、実装工数を約50%削減した事例もある。
2028年の完全自動化へ、レビュー負荷やコストが課題
開発効率の向上に開発AIエージェントが貢献する一方で、サイバーエージェントではレビュー工程の負荷をどう抑えるかが課題になっているという。AIを前提とした開発ワークフローの再設計や、AI活用の拡大に伴うコストの管理についても、今後の重要な経営課題として長瀬氏は挙げる。
サイバーエージェントはこうした課題に向き合いながら、開発組織をAI活用前提の体制に進化させる。開発プロセスの完全自動化というビジョンの実現に向けて、AIによって開発プロセスをさらに変革する方針だという。同社は2026年7月9日、これらの成果を発表した。
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