「ゲーム開発もAIコーディングエージェントと」 次世代開発基盤「Unity 7」の5つの強化ポイント:再構築も新言語習得も不要
Unityは、次世代のゲーム開発基盤「Unity 7」の計画を発表した。開発者とコーディングエージェントが開発の全工程で協働することを前提に設計しているという。
ゲームエンジンを手掛けるUnityは2026年7月21日、韓国のソウルで開催したイベント「Unite Seoul」で、次世代のオーサリングプラットフォーム「Unity 7」の計画を発表した。ゲームの開発、展開、成長を支える基盤として、開発者やアーティスト、プロデューサー、コーディングエージェントが開発ライフサイクル全体を通じて共同で作業できるオープンなプラットフォームとして設計したとしている。
Unity 7は、開発者が使い慣れたAIツールと連携して動作し、アイデアからプレイ可能なゲームに至るまでの開発を高速化する。「Unity 6」からの移行に大掛かりなアップグレードは不要で、再構築や新しい言語の習得も要らないという。
Unity 7の5つの強化ポイント
Unity 7は、次の5つの強化ポイントを軸に構築されている。
1.高速な制作環境
「CoreCLR」(Microsoftが開発したオープンソースの.NETランタイム)で刷新したコアの上に構築し、ほぼ瞬時に起動するプレイモードや、変更したコードのみを対象とするドメインリロード、シェーダービルドの最大90%高速化を実現する。
2.オープンで協働できるエコシステム
新しいCLI(コマンドラインインタフェース)とパブリックAPIにより、開発者はフルエディタへのアクセスを必要とせずに、使い慣れたツールからアセットの検証やビルドのプッシュ、共同作業を行える。無料で使えるMCP(Model Context Protocol)でコーディングエージェントを直接接続できる。
3.グラフィックスの進化
リアルタイムのグローバルイルミネーションを実装する「Surface Cache GI」などにより、あらゆるプラットフォームでより豊かな表現を可能にするという。AIによる最適化も活用し、ハイエンドPCからモバイル機器まで幅広く対応する。
4.よりスマートなマネタイズ
「Unity Ads」のAIエンジン「Unity Vector」が最適なプレイヤーとゲームを結び付ける。DtoC(Direct to Consumer)のアプリ内課金やノーコードのWebショップ、統合カタログを備える。
5.容易なアップグレード
Unity 6のアーキテクチャを直接引き継ぐので、アップグレードでの再構築は不要で、既存のプロジェクトやスキル、コードはそのまま引き継げる。
Unityのプレジデント兼CEOのマット・ブロンバーグ氏は、「ゲーム開発は歴史上かつてないスピードで変化している。未来は最大のチームのものではなく、新しい技術を活用して独自のものを生み出し、自らのオーディエンスを見つけられる者たちのものだ。Unity 7はこの瞬間に応えるプラットフォームだ」とコメントしている。
Unity 7は2026年12月に早期βテストを開始し、正式リリースは2027年第1四半期を予定している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
デバッグでもテストでもない、ゲームエンジニアが考える「AIには奪われない役割」は?
ゲーム開発でAI活用が広がる中、ゲームエンジニアはAIとの役割分担をどう考えているのか。Hiraku agentの調査では、ゲームエンジニアがAIに代替されると考える業務と、代替されないと考えるスキルが明らかになった。
4000円のクレカ、2万円のゲームアカウント ダークWebで値付けされる“個人の価値”
あなたのアカウントはいくらで売られているのか。ダークWebで売買される7万件超のデータ分析から、身近なサービスの“価格”が浮かび上がった。安価にばらまかれる情報と、高値で狙われる資産。その差が示す本当のリスクとは何か。
従業員家族もマルウェア感染の入り口に 約5億件の分析で判明、情シスが促すべき3つの対策
NordVPNは、情報窃取型マルウェア「インフォスティーラー」による2025年の被害実態調査を発表した。同社は、約5億件のインフォスティーラーのログデータを分析した結果に基づき、3つの防御策を推奨している。
いかにして「GPU」は画像処理チップから“数値計算の常識”へと進化したのか?
いまやGPUは、AIや科学計算にも欠かせない計算資源へと進化を遂げた。もともと画像処理用として生まれたGPUが、なぜAI分野をはじめとした汎用的な分野で使われるようになったのか。その進化の過程を振り返る。
ゲーム開発業界の9割がクラウドサービスを活用 技術課題の1位は「急激なトラフィック増加への対応」
クラウドエースの調査によると、ほとんどのゲーム開発企業がクラウドサービスを利用する半面、クラウドのメリットである柔軟性や俊敏性を生かしたサービス提供に必ずしも適応できていない状況が浮き彫りとなっている。
