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ウェザーニューズが「社外AIは漏えいが怖い」を“独自AI”で解決 社員8割が使うその中身とは40年間の気象データとノウハウを組み込む

情報漏えいのリスクを抑えつつ、実務に組み込みやすいAIを求めて、ウェザーニューズは自社開発に乗り出した。全社員の8割以上が使うという“独自AI”の実態とは。

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 気象情報サービスを手掛けるウェザーニューズは、新しいサービスの開発だけではなく、既存業務の見直しにもAIを活用してきた。気象の予報や営業、カスタマーサクセスなど幅広い業務にAIを取り入れ、社内での活用を進めている。

 AIを業務に活用する上で、ウェザーニューズは幾つかの課題を解決する必要があった。外部のAIサービスを利用する際に生じる情報漏えいのリスクが、その一つだ。AIサービスに入力した社内データや顧客情報などが、外部に流出することを防ぐ必要があった。

 もう一つが、実務への適用の難しさだ。汎用(はんよう)的なAIサービスを単体で使うだけでは、社内データと連携した分析や、業務で必要となる成果物の作成など、実務に直結する処理まで実現するのは難しいと、ウェザーニューズは考えていた。

「社員8割が使う」自社開発AI、その中身とは?

 こうした課題を解消するために、ウェザーニューズは社内向けのAIシステムを独自に構築することにした。導入から日が浅いながらも全社的に活用が広がり、業務の効率化や生産性向上といった成果を上げているという。その中身と、活用の実態を見ていこう。

 ウェザーニューズが開発したのが、社内向けAIエージェント「WNI Intelligence Core」だ(画面)。複数のLLMを活用して開発したもので、1986年の創業以来40年間に培った気象データと専門ノウハウを組み込み、業務に生かしやすくしたという。

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画面 ウェザーニューズが開発したWNI Intelligence Core(出典:ウェザーニューズのプレスリリース)《クリックで拡大》

 WNI Intelligence Coreの開発によって、ウェザーニューズは外部サービスではなく、社内サービスとして複数のLLMを活用できるようにした。これによりAI利用時の外部への情報漏えいリスクを軽減した。

 LLMによる回答を得るだけでなく、実務に直結する処理まで一貫して実行できるようにしたのが、WNI Intelligence Coreの特徴だ。それを実現するために、ウェザーニューズはWNI Intelligence Coreに複数の機能を盛り込んだ。

 代表的な機能が、AIの生成物をその場で確認・操作できる「Artifact」だ。Artifactはチャット画面とは別の専用パネルに、AIが生成したソースコードや文書、図表などを表示し、その生成物を社員がリアルタイムでプレビューしたり、操作したりできるようにする。

 複数の情報源を調査・分析する「Deep Research」や、プログラムを実行できる「コード実行環境」といった機能も備える。LLMと外部のシステムやデータベースなどを接続するための標準プロトコルである「MCP」も利用できる。

予測モデルの精度評価を迅速化、新モデル開発のPDCAを加速

 外部への情報漏えいリスクを抑えながら、実務に直結する処理まで一貫して実行できるという安心感と利便性から、WNI Intelligence Coreは全社的に利用が広がった。ウェザーニューズによると全社員の8割以上が日常業務で利用しており、1カ月間の利用回数は1万回に達した。

 予報部門はArtifactを使うことで、プログラミングの知識がなくても高度なデータ分析や可視化ができるようになった。これによって予報に使う予測モデルの精度評価を迅速化し、客観的な分析や課題抽出を自動化した。予測モデルの精度向上に人的リソースを集中できるようになり、新モデル開発のPDCAサイクルが大幅に加速したという。

 営業部門は、個人が持つ提案ノウハウや資料をWNI Intelligence Coreに蓄積・共有し、チーム全体で個人のノウハウを反映した提案資料を迅速に作成できるようにした。カスタマーサクセス(CS)部門は、気象災害発生後の顧客向け報告書の作成時間を、従来の数時間から約15分に短縮。定型フォーマットの報告書については、内容の生成までWNI Intelligence Coreが担い、ワンクリックで出力できるようにした。

 この他にも、ウェザーニューズは気象データを基に被害想定額を算出する機能や、電話で寄せられる気象データを一元管理する機能、船舶に関するデータを活用したインシデント管理画面などをWNI Intelligence Coreを活用して開発し、業務に利用しているという。

 ウェザーニューズは今後、WNI Intelligence Coreの活用で蓄積したAI関連のノウハウや技術を、顧客向けサービスの開発にも生かす方針だ。同社は2026年8月13日、本取り組みを発表した。

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