検索
ニュース

「法改正のたびに改修依頼」からの脱却 日立は約5000人が利用する輸出管理システムをどう刷新した?現場が自分で直せるように

世界各国で安全保障貿易管理に関する規制が強化される中、企業には輸出規制の変更や法改正に素早く的確に対応する体制作りが求められている。各事業部門が担う輸出取引の審査と関連帳票の管理を1つのシステムで運用してきた日立製作所はどう対応したのか。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 世界各国で安全保障貿易管理に関する規制が強化される中、企業には輸出規制の変更や法改正に素早く的確に対応する体制作りが求められている。

 日立製作所(以下、日立)も、各事業部門が担う輸出取引の審査と関連帳票の管理を1つのシステムで運用してきたが、約5000人が利用する業務基盤となる旧システムは技術的な老朽化が進み、保守コストや運用負荷の増大が課題になっていた。

 加えて、法改正や規制変更が生じるたびに外部ベンダーに改修を依頼する必要があり、迅速な対応が難しい状況だったという。

約5000人が利用する業務基盤をどう刷新した?

 日立は輸出管理(安全保障貿易管理)業務の基盤として、大企業向け業務デジタル化クラウド「SmartDB」を採用し、2026年4月から運用を開始した。

 輸出管理業務の中核を担う取引審査など、審査プロセスを事業部門がノーコードで開発、運用できる点や、大規模運用に耐えるセキュリティレベルの高さ、導入検討から稼働後まで継続的なサポートを受けられる体制などが採用理由となっている。

 日立はSmartDBを採用したことで、システムの保守/運用コストを抑えつつ、法改正や制度変更にも柔軟に対応できる業務基盤を手に入れたという。

ノーコードでの審査プロセス構築と運用負荷軽減

 輸出管理を巡っては、規制対象品目の指定内容の見直しやキャッチオール規制の運用ルール変更、特定の国・地域への制裁措置など、法令改正に伴う変更が頻繁に生じる。新システムでは、こうした変更でチェック項目や業務ロジックの修正が必要になった場合でも、現場の担当者自らが対応できる仕組みを備えたという。

 運用保守の負荷を抑える工夫も凝らした。具体的には、SmartDBの「ダイナミック・ブランチ機能」によって、リスト規制で使う輸出管理票とキャッチオール規制審査で使う顧客情報を一元化。片方の情報を更新すればもう一方にも自動的に反映される仕組みとすることで、情報の更新漏れや二重管理のリスクを抑えている。


SmartDBを中核とした輸出管理業務のシステム連携イメージ(提供:ドリーム・アーツ

 日立製作所 ITデジタル統括本部 経営デジタル推進部 部長 山岡慎氏は、業務部門の担当者だけで軽微な修正に迅速に対応できる体制が整った点を大きな前進だと語る。業務部門とIT部門が連携し、現場の知見を反映しながらシステムを構築できたことも成果に挙げており、今後は今回の経験を踏まえてSmartDBの活用範囲を広げ、グループ全体のデジタル化を進めていくとしている。本事例はSmartDBを提供するドリーム・アーツが2026年7月23日に発表した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る