“サポートが切れるNotes”で100個以上のアプリが乱立していた沖縄電力 「現場開発」と「統制」をどう両立?:アプリの乱立で運用やデータ活用に支障が
「Notes」で開発した業務アプリケーションが100個以上に膨らむ中、サポート終了を前にNotesからの移行を迫られていた沖縄電力。どのように刷新を進め、その後の“現場開発”再開につなげたのか。
沖縄県全域への電力供給を中心に事業を展開する沖縄電力では、従来利用してきたグループウェア「Notes」のサポート終了が迫っていた。同社では現業部門がNotesに業務アプリケーションを作り込み、部門ごとの業務に合わせて活用していた。
アプリケーションの数は増え続け、100個以上に達していた。中には似た名前や同じような機能を持つアプリケーションがあり、アプリケーションの運用やデータ活用に支障が生じていたという。生まれ続けるアプリケーションに対して、情報の取り扱いやアクセス権などをどう管理するかも課題となっていた。
「100個以上のアプリ」を抱えたNotesをどう刷新?
こうした課題を解決するために、沖縄電力はグループウェアの刷新を機に、アプリケーション開発の進め方を見直した。統制を保ちながら、アプリケーション開発の自由度を損なわないようにしたという。どのように取り組んだのか。
沖縄電力は2019年、グループウェアの刷新に合わせて、アプリケーションの移行・開発の仕組みとしてサイボウズのノーコード開発ツール「kintone」を導入した。まずは情報システム部門と、システム開発を担うグループ会社が、現業部門からの要望を受けてアプリケーションを開発する形で運用し、業務に必要なアプリケーションを置き換えていった。
2023年にはkintoneへの移行後に初めて、アプリケーション開発を現業部門にも開放した。現業部門向けにアプリケーションの開発方法を学ぶ社内ワークショップを開催。2026年7月時点で参加者は累計約400人に達し、PCを使う業務に携わる従業員の半数以上が参加したという。
リスク抑制の観点から、現業部門によるアプリケーション開発にはルールを設けた(図)。アプリケーション開発を申請制にして、リリース時のアクセス権設定は情報システム部門が担うなど、情報が意図しない範囲に公開されないようにした。
kintoneの導入後は、現場主導のアプリケーション開発が広がった。その中で生まれたのが、電柱の建て替え時に他社と調整する業務に使うアプリケーションだ。これまで電話で確認していた進行状況を、外部連携サービスと組み合わせてkintoneで確認・更新できるようにした。kintoneのアカウントを持たない関係会社も進行状況を確認・更新できるようにすることで、年間約300時間の業務時間を削減した。電話による伝達漏れや認識違い、手戻りの削減にもつなげた。
申請・承認のワークフローもkintoneで構築し、承認にかかる時間が半分以下になった例がある。従来は紙の申請書が必要で、上司の出張などで承認が滞留することもあった。ワークフローの構築によって年間6万件あった書類処理をゼロにし、年間1万5000時間の業務時間を削減したという。
kintoneを選んだ理由は、従来の業務に合わせて作り込んできたアプリケーションを再現できることだった。日本の商習慣に合わせたワークフローを構築できることも評価したという。今後は、kintoneで構築したアプリケーションを整理し、保守や運用の効率化を目指す。サイボウズは2026年8月4日、本事例を公開した。
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