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実運用へ広がるAI活用、「SRE」にも変化――67%が“AIの監視”を重要視:AI時代に変わるSREとプラットフォームエンジニアリング

AIの本番利用が広がる中、システムの信頼性を支えるSREやプラットフォームエンジニアの役割はどう変わるのか。Dynatraceが公開した調査結果から、AI時代に求められる新たな役割や、オブザーバビリティーの変化が見えてきた。

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 オブザーバビリティー(可観測性)ツールを手掛けるDynatraceは2026年8月25日(米国時間)、企業におけるオブザーバビリティーやSRE(サイト信頼性エンジニアリング)、プラットフォームエンジニアリングの取り組み状況をまとめた調査レポート「The State of SRE and Platform Engineering 2026」を公開した。

 調査は、年間売上高5億ドル(約800億円<1ドル=約160円の為替レートで換算>)以上の企業で、SRE、プラットフォームエンジニアリング、IT運用に直接関わる管理・監督職919人を対象に、2025年10月から2026年1月にかけて実施した。

 調査から見えてきたのは、AIが本番環境に入り始めたことで、SREやプラットフォームエンジニアが担う仕事の範囲が広がっていることだ。従来のシステムやアプリケーションの信頼性を維持するだけでなく、AIモデルそのものの挙動を監視し、AIを組み込んだシステム全体の信頼性を確保する役割が求められ始めている。

SREにも変化 67%が「AIモデルの監視」を重要視

 その変化を象徴するのが、SREにとっての「監視対象」だ。

 調査では、SRE担当者の67%が「AIモデルの監視」を重要なユースケースに挙げ、インシデント対応やSLO(サービスレベル目標)の管理を上回った。AIモデルの性能や精度を監視する機能を既に利用しているSRE担当者も58%に上る。

 もちろん、以前からSREが担ってきた信頼性管理が不要になったわけではない。回答者の89%は、少なくとも一部のチームやシステムでSLOを運用している。こうした従来のシステムの信頼性管理に加えて、AIモデルそのものを監視することがSREの新たな役割になりつつある。

 背景には、AIシステム特有の問題がある。AIモデルは、時間の経過とともに性能や出力傾向が変化する「モデルドリフト」が起きたり、同じような入力に対して一貫しない結果を返したりする可能性がある。推論にかかるコストの増大やデータセキュリティといった問題もあり、CPU使用率やメモリ使用量、応答時間など、従来のインフラ監視だけでは状態を把握し切れない。

 こうした事情から、AIに対応したオブザーバビリティーへの関心も高まっている。SRE担当者の67%、プラットフォームエンジニアの63%が、AI関連機能を重要なオブザーバビリティー機能に挙げた。

 一方、プラットフォームエンジニアには別の役割も求められている。55%は、コーディング支援ツールやチャットbotなど、AIを搭載したツールを開発者に提供することを優先事項に挙げた。AIを監視するSREと、AIを開発者が利用できる環境として提供するプラットフォームエンジニアという役割の違いが見える。

SREとプラットフォームエンジニアリングは既に大企業へ浸透

 こうした新しい役割を担う土台の整備も進みつつある。調査では、SREの取り組みについて経営層から支持を得ていると答えた組織が92%に上った。プラットフォームエンジニアリングを実践する組織では89%がIDP(内部開発者プラットフォーム)を導入済みで、そのうち60%は複数の部門で広く利用している。

 両者の連携も進んでいる。回答者の73%は、SREとプラットフォームエンジニアリングのチームが協働し、システムの信頼性や基盤に関する責任を分担していると回答した。

 Dynatraceは、AIワークロードが本番システムの一部になるにつれ、こうしたチームに求められる役割も変化するとみている。システムの複雑化に加え、新たな監視データや従来とは異なる障害への対応が必要になり、オブザーバビリティーに求められる範囲も広がるためだ。

AIを導入しても「コスト削減」「MTTR短縮」は期待通りにいかない

 一方、AIを運用に取り入れれば、あらゆる課題が解決するわけではない。

 調査では、AI技術はシステムの信頼性や開発者の生産性の改善ではおおむね期待に応えている一方、コスト削減やMTTR(平均修復時間)の短縮では、期待したほどの効果が出ていないという。

 課題の一つが、既存環境との統合だ。プラットフォームエンジニアの37%は、既存のツールやシステムとの統合を最大の課題に挙げた。開発から本番運用まで、デプロイの全段階にオブザーバビリティーを組み込んでいるプラットフォームエンジニアは40%にとどまる。

 SRE側にも課題がある。回答者の半数近くは、監視対象となるデータソースや指標が多過ぎることが、実効性のあるSLOを定義、管理する上で障害になっていると答えた。

 AIツールを既存の運用環境に追加するだけでは十分ではない。Dynatraceは、システム全体の状況を把握した上で、複数のツールや処理を連携させる仕組みが必要になると指摘している。

 なお今回の調査と分析は、Dynatraceの委託を受けたY2が担当した。回答者は米州、EMEA(欧州、中東、アフリカ)、アジア太平洋地域の組織に所属する。

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