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DXが進まない? 取材から見えた、成功企業に共通する「7つのプロセス」:ITツールは手段。大切なのは「目的」と「思い」(2/3 ページ)

「DXって何から始めればいいの?」――業種も規模も違うのに、DXを成功させた企業がたどる道は驚くほど似ていた。連載「ITのチカラ」の取材事例を振り返り、始動から変革までを「7つのプロセス」として整理した。ツールより先に必要な「目的」と「思い」の共有とは――。

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4.試行期:負担を減らし、小さく始める

 この段階ではいきなり大きな成果を狙わず、取り組みやすい小さなところから着手し始める。現場の負担をできるだけ減らす工夫が、継続を支えるのだ。

 住民に必要なデータの可視化に取り組んでいる府中市は、住民データという、取り扱いが難しい「本丸」ではなく、個人情報を含まないオープンデータからスモールスタートする道を選んだ。第一製品流通は、外出が多く、なかなか話す時間が取れない配送部門ではなく、社内に従業員がいる総務部門から着手した。岸産業は、PCの扱いに慣れていない職人のために、データ入力の負担が極力少なくなるように工夫した。


少しずつ手応えをたぐりよせていった(府中市)

 このように、できるだけ負担を減らし、小さく始めることによってデジタル化、データ化を推進した。

5.可視化期:見える化が「対話」を促進する

 小さく始めたデータがたまってくると、業務や課題の見える化が進む。それをきっかけに、部署を超えた対話や、改善への意欲が生まれ始める。

 長野テクトロンは、各部署のデータを集めてみたところ、製品を管理するための通し番号がないことに気が付き、「これは、何とかしなきゃいけない」と認識がそろった。第一製品流通は、業務のつながりが見えたことで「こうしてあげると、あの部署も楽だよね」と、お互いを気遣う意識が生まれた。


お互いの状況が見えるようになった(第一製品流通)

6.自走期:小さな成功体験が広がる

 対話が促進されるようになると、小さな成功が共有され、口コミのように社内に広がっていく。すると、現場から自発的にアイデアや改善提案が出てくるようになる。

 岸産業は、取り組んだ努力の見える化として、製品利益率のトップ20とワースト20を発表した。その結果、従業員から「面白いやん!」と反響があった。巴山建設は、現場から「次はこういうことができない?」という声が上がるようになった。

 小さな成功体験の大切さについて、第一製品流通の押見さんは次のように語る。「現場の皆さんに実際に使ってもらって、小さな成功体験を体感してもらう。これが一番早いです」


周りも面白がって積極的に関与してくれるようになった(岸産業)

7.変革期:次の挑戦へ

 この段階は、自社の変化を土台に、新たな事業や業界全体への展開など、次の挑戦に向かう。デジタル化が、本来の意味での「変革」――つまり、デジタルトランスフォーメーション――へとつながっていく。

 第一製品流通は、物流業界向けのデジタル化伴走支援を新たな事業として見据えている。巴山建設は、自社の取り組みが建設業界全体のDXにつながっていくことを目指している。

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