Database Watch 4月版 Page 1/2
MySQL 5.0、かなり気になる機能強化が進行中
加山恵美
2005/4/14
年が明けると桜の木に目を向けるようになります。枝に小さなつぶつぶのようなものが見えてくるからです。3月になると豆ほどの大きさに成長しますが、まだ枝と同じ色です。その豆が明るい黄緑色になり、濃いピンクになると開花までのカウントダウンが始まります。そして4月になり、空をピンクに染める季節がやってきました。
■商用RDBMSのご三家では、SQL Server 2005が今年の目玉
桜を見ると、社会人になった年を思い起こします。環境ががらりと変わり緊張と不安を抱える中、通勤電車の窓から見える桜がとても印象的でした。いまでも桜を見ると初心に帰る気がします。そこで今回は気持ちも新たに、データベース業界全体を見渡しながら新しい話題にも触れていきます。
この連載はその名のとおりデータベース業界を観測しています。一般的に「データベース」というと「システムで利用できるようにデータを蓄積したもの」とされますが、ここでは主にRDBMSに焦点を当てています。RDBMSは表形式のデータが相互に関係を持ち、比較的大規模なシステムで多く採用されています。また本格的なRDBMSになると技術の発展や競争が目覚ましい分野でもあります。
さてRDBMSといっても、商用製品からオープンソースまで幅広くあります。商用RDBMSのベンダというとOracle、マイクロソフト、IBMの「ご三家」が有名で、シェアもこの3社が大半を占めています。最新の対抗軸は、新機能搭載や性能向上を進めながらも、導入の難易度を下げて幅広い層で利用できるようにすることです。
Oracleは2004年にグリッド技術を強化し、管理コストを削減したOracle Database 10gをリリースしました。今年はそれに続きSOAを強く意識した10g Release 2がお目見えする予定です。Oracleは性能を強化しながらも、GUI管理ツールのエンタープライズマネージャにて運用の敷居を下げて中小企業への導入拡大に本腰を入れています。
- Oracle 10g Standard Edition One
スモールビジネスや部門システムなど、小〜中規模のデータベース・システムを狙って低価格を打ち出した製品
マイクロソフトは現段階ではMicrosoft SQL Server 2000が最新バージョンですが、2005年にはMicrosoft SQL Server 2005がリリースされる予定です。2004年8月には日本語版のベータ2が公開され、その評価がユーザーコミュニティを中心に話題となっています。マイクロソフトはAccessからの乗り換えやWindows環境との相性など、導入する敷居の低さがアドバンテージになっています。
- Microsoft
SQL Server 2000 Workgroup Edition
Accessからのステップアップ・ユーザーを狙って低価格なライセンスを提供する製品。2005年5月にリリース予定。
そしてIBMのRDBMS製品は2004年にV8.2をリリースしたIBM DB2 UDBが看板製品ですが、ほかにInformixもあります。DB2 UDB V8.2は自律的に運用管理できるオートノミック機能が特徴です。またLinux V2.6のカーネルをサポートし、Linuxへの取り組みも積極的です。近く4月27日には「DB2と他社DB徹底検証セミナー」、5月17〜18日から(大阪では6月8日)は「IBM Software World 2005」のイベントも開催されます。
- DB2
Universal Database V8.2
DB2の最新バージョンを紹介するWebページ。
このご三家が世界および日本のシェアの大半を占めていますが、国内では日本企業が追随しています。その代表格に日立のHiRDBや富士通のSymfowareが挙げられます。日立のHiRDBはちょうど2005年3月に新バージョン7.2をリリースしたところです。両製品とも基幹業務での採用が多いためノンストップでの運用を追求しています。(次ページへ続く)
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連載 Database Watch 4月版 MySQL 5.0、かなり気になる機能強化が進行中 |
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