セキュリティ&プログラミングキャンプ 2010 Linux組レポート
そこはコンピュータ版「精神と時の部屋」
富士通株式会社 Linux開発統括部
武内 覚
2010/9/14
恒例になりつつある4泊5日の「キャンプ」
コンピュータが好きでたまらない学生たちが集う、毎年恒例の「セキュリティ&プログラミングキャンプ」が、今年も開催されました。これはお盆の時期にキャンプ地(今年は去年と同じ、千葉の国際能力開発支援センター)に4泊5日でこもりっきりになり、セキュリティ、あるいはプログラミングの高度な専門知識を得るという熱いイベントです。
講師陣も豪華で、各分野について日本を代表する専門家がそろっています。講師リストの中には、誰かしら聞いたことのある名前があるのではないでしょうか。講義をサポートするチューターを併せると、学生1〜2名につき大人1人がつくというぜいたくな環境です。
キャンプは「セキュリティコース」と「プログラミングコース」の2つに分かれており、各コースがさらにそれぞれ10人程度のキャンプ生を受け入れる3つの組に分かれています。セキュリティコースはソフトウェアセキュリティ組、Webセキュリティ組、そしてネットワークセキュリティ組の3つ。一方のプログラミングコースはOSを作ろう組、プログラミング言語組、そしてLinuxカーネル組の3つです。筆者もプログラミングコースのLinux組講師として、今年初めて参加してきました。
この記事では本イベントの中でも筆者が参加したLinux組に焦点を当てて、キャンプの中で学生たち(以下キャンプ生)が何をしたのか、どんなことが起きたのかについてレポートします。
Linux組はキャンプ史上最年少である13歳の中学2年生から高専生、および大学4年生まで、幅広く分布した10人を講師7人でサポートするという体制でした。キャンプ中に起きたすべての出来事はとても書き切れないので、特に印象的なトピックに絞って、時系列に沿って記載します。
関連リンク: | |
セキュリティ&プログラミングキャンプ 2010 公式サイト |
「緊張をほぐす」初日
初日にはゲスト講師である東京工業大学 首藤一幸先生の特別講義がありました。内容は首藤先生がこれまでに取り組んでこられたことを、デモ、およびジョークを交えながら紹介するという楽しいものでした。
先生が、子供のころから何を考えて、そしてどう行動して現状があるかという、普通の講演では分からない心理的なものまで含めた話をしていただけました。多くのキャンプ生の考え方に影響を与え、そして彼らの脳裏に、将来の目標となるスーパーエンジニアが1人、刻み込まれたことでしょう。
特別講義の後は、天野講師による恒例の交流企画がありました。これは知らない土地で年齢層がばらばらな人々に囲まれてガチガチになっているキャンプ生たちの緊張を解きほぐすのが目的です。
交流企画は二部構成になっており、前半は決意表明、後半は名刺交換でした。決意表明では、各自が「キャンプでは何をしたいか」という熱い思いを、あらかじめ用意されたシートに書き連ねました。真面目なものからネタに走ったものまで、各人の性格が出た面白いシートがたくさんできました。
決意表明をシートに記入するキャンプ生たち |
名刺交換はキャンプ生、チューターおよび講師陣がそれぞれ自己紹介したうえで名刺を交換して、集めた名刺の数を競うというゲーム形式でした。1位の人は70枚程度集めたそうです。
なお、名刺交換の途中で竹迫講師が残念ながら所用で退席してしまったのですが、入れ替わりでイントラの星から特別ゲストのボウズマンがやって来てくれました。ボウズマンは次々に写真や握手を求められるほど大人気だったものの、名刺を忘れたらしく、竹迫講師の名刺を勝手に配っていました。ヒーローが他人の個人情報をばらまくのはいかがなものかと思いましたが、このキャンプ中みんなが口をそろえていっていたように、
「細けえことはいいんだよ!」
ですね。それにしてもボウズマンの正体が何者なのか、まったく見当がつきません(棒読み)。
かっこいいポーズを決めるボウズマン |
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