VMware Workstation 4
1999年の登場以来、PC/AT互換機エミュレータとして不動の地位を築いたVMware。そのデスクトップ版であるWorkstationの新バージョンがリリースされた。VMware Workstation 3.xから何が変わったのか、早速確かめてみよう。
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編集局
2003/4/8
今回主に試用したのは、開発中のベータ版だ。ベータ版といっても、リリースノート(http://www.vmware.com/support/ws4/doc/releasenotes_ws4.html)を見ると、原稿執筆のために試用したBuild 4388はRC2のようだ。ただし、VMwareのサイトではリリースノート以外は「Beta」で統一されているため、ここでは製品版以前のBuildはRC版も含めて「ベータ版」と呼ぶことにする。
なお、本記事公開直前に製品版が公開されたため、以下の内容について製品版でもチェックを行った。
VMware Workstation 4開発の歩み
VMware Workstation 4(以下VMware 4)のベータテストは当初、登録ユーザーのみを対象としていた(注)がBuild 4121からはパブリックベータとして一般ユーザーも参加できるようになった。
注:この段階では「VMware Workstation e.x.p」と呼ばれていた。 |
画面1 Windows XPにインストールしたVMware 4の画面(画像をクリックすると拡大表示します) |
■不具合に泣いた時代
現時点までに、いくつかのBuildのパブリックベータが公開された。Build 4121(ベータ1)とBuild 4183は外付けのUSB DVD/CD-ROMドライブを正常に認識することができず(認識していてもエラーが出るなど)、テスト環境としてThinkPad+USB DVD-ROMドライブしか用意できなかった筆者は何もできなかった。
Build 4257(ベータ3)ではUSB用ドライブの問題もかなり改善され、筆者もようやくゲストOSをインストールできるようになった。しかしこのBuildも完全とはいえず、ドライブを認識しないこともあるなど、やや不安定だった。また、このBuildではホストOSが日本語環境の場合、インストーラも含めてVMwareが日本語化されるようになった。ただし、ゲストOSの動作速度は非常に遅く、キー入力にも不具合がある(注)など、使用感は最悪であった(ベータ版とはそういうものだが)。
注:環境依存な問題かもしれないが、あるキーを1回押すと2文字入力されてしまうことが多く、まともにタイプできないことがあった。 |
■実用性向上の時代
次のBuild 4320(RC1)は、なぜか英語版に戻ってしまった(インストーラは「日本語版」となっていたが……)。このBuildからパフォーマンスが劇的に改善され、Build 4257で生じていたキー入力の問題も解消。ゲストOSであるRed Hat Linux 8.0でXを動かしてもそれほど不満を感じなくなった。
2003年3月26日公開のBuild 4388(RC2)ではVMware本体も日本語版に戻り、現在に至っている。このように、筆者の環境で生じていた問題点は着実に解消されており、現時点では特に問題を感じていない。
■正式リリースへ
ほぼ記事の作成を終えていた2003年4月4日(日本時間)に、Build 4456が公開された。このBuildから、ファイル名が従来の「VMware-workstation-e.x.p-xxxx.exe」から「VMware-workstation-4.0.0-xxxx.exe」に変更された(注)。また、再びVMware 4自体は英語版に戻った。
注:「xxxx」ばBuildナンバー。また、「.exe」はWindows版のことで、Linux版の場合は「.i386.rpm」と読み替えてほしい。 |
翌4月5日(日本時間)、製品版であるBuild 4460が公開された。Build 4456と同様、インストーラは日本語版だが、VMware 4自体は英語版のまま。とはいえ、英語版でも使用に不都合はない。
なお、今回掲載した画面のうち、ユーザーインターフェイスが日本語表記のものはBuild 4388(RC2)を使用している。英語表記はBuild
4460(製品版)だ。Linux版の画面はBuild 4257でキャプチャしたものである。
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