〜 Xen対応カスタムカーネル構築編 〜
みやもとくにお<wakatono@todo.gr.jp>
2005/4/5
xmコマンドとxensv
Xenには、仮想マシンの管理用にxmコマンドとxensvが用意されています。
xmコマンドは、Xen上で動作する仮想マシンの管理に必要なコマンドであり、xendが動作している環境で機能します。xensvは、Xenやその上で動作する仮想マシンをWebブラウザで管理するためのプログラムであり、これもxendが動作している環境で機能します。
画面2 xensvを使ったWebブラウザによる管理画面(画像をクリックすると拡大表示します) |
ここでは、よく使うxmコマンドを紹介します。
■xm list
xm listは、動作している仮想マシンの一覧を得るコマンドです。
# xm list |
xm list実行例 |
■xm create
xm createは、指定された仮想マシン定義ファイルの内容に従ってドメインを作成します。定義ファイル中で指定するドメイン名は、同じマシン上に作成される仮想マシン間で重複してはいけません。
# xm create vm0.conf |
xm create実行例 |
■xm console
xm consoleは、すでに走行しているドメインのコンソールを使うためのコマンドです。コンソールを指定するためのパラメータとして、VMID、ドメイン名、コンソール番号(ポート番号)のいずれかを指定します。ドメイン名を使うのが普遍的でお勧めです。
# xm console DebianDomain |
xm console実行例 |
■xm save
xm saveは、走行している仮想マシンのコンテキストを保存するコマンドです。
パラメータとして、
- 保存するドメイン名(例ではDebianDomain)
- 保存先のファイル名(例ではD-D.sav)
を指定します。
なお、このコマンドを使うには、xfrd(注)というプログラムが稼働している必要があります。
# xm save DebianDomain D-D.sav |
xm save実行例 |
# xm save ttylinux tty.sav |
xfrdが動作しておらず、処理が失敗した例 |
注:xfrdは、仮想マシンの状態を保存/復元するために必要なプログラムです。ただし、本稿で紹介したバイナリパッケージに入っているxfrdは、ライブラリの依存関係で不具合が生じる可能性があります。これが原因でxfrdが機能しない場合は、各自の環境でソースコードからxfrdをコンパイルすると使えるようになるかもしれません。 |
■xm restore
xm restoreは、xm saveの結果取得されるファイルを指定することで、仮想マシンを復旧します(注)。
注:なお、このコマンドを使うには、xm saveで説明したxfrdが稼働している必要があります。 |
# xm restore D-D.sav |
xm restore実行例 |
# xm restore D-D.sav |
xfrdが動作しておらず、処理が失敗した例 |
コラム Xen運用時の注意 | |
Xenにも欠点があります。例えば、
というものがあります。つまり、特権OSの管理を誤ると、その上で動作する仮想マシンすべてを危険にさらすことになります。 |
◆
汎用ハードウェアを使って、サーバ環境をドメイン内に割り当てて使うだけであれば、極めて単純な管理作業で実現可能です。しかし、コラムで述べたとおり、一般ユーザーでも仮想マシンに対して危険な操作を行える権限を手にする危険性があります。
不正侵入対策も含め、特権OSの管理はきちんと実施する必要があります。この点さえ気を付ければ、Xenは今後より応用が利くものになるのではないでしょうか。
参考URLXen公式サイト:http://www.cl.cam.ac.uk/Research/SRG/netos/xen/
Xen Projectのページ(SourceForge):http://sourceforge.net/projects/xen/
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