〜 「完全仮想化」で「高速動作」実現のヒミツ 〜
ノベル株式会社
Linuxテクノロジー・エバンジェリスト
岡本 剛和
2008/7/28
Xen環境の構築
ではここから実際に、SUSE Linux Enterprise Server 10 SP2(SLES10 SP2)で動作するXenの上で、Windows Server 2008の導入を進めていきましょう。
ハードウェアは、以下のような環境があれば構いません。
リソース | スペック |
CPU | AMD-VもしくはIntel-VTに対応した64ビットCPU。 仮想化機能はBIOSで有効にしなければならないものが多い |
メモリ | 2Gbytes以上あることが望ましい |
HDD | 20Gbytes以上 |
ソフトウェアは以下のものが必要です。
- SUSE Linux Enterprise Server 10 SP2 x86_64版
(http://download.novell.com/Download?buildid=xWohTS2zkSs~) - SUSE Linux Enterprise Virtual Machine Driver Pack SP2
(http://download.novell.com/Download?buildid=Y1CGHtTWH8c~) - Windows Server 2008 x64版
それでは、SLES10 SP2のインストールを開始します。ポイントだけ解説しますが、基本的にはインストールウィザードに従って進めてください。
まず、DVD-ROMをセットして起動します。起動したらF2キーを押して「日本語」を選択し、「インストール」を選んでインストーラを起動します。
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画面1 起動画面 |
「インストールの設定」画面では「ソフトウェア」をクリックして、「Xen仮想マシンホストサーバ」を選択します。これで、Xenに関連するパッケージと設定が行われます。
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画面2 パッケージ選択 |
これでインストールを進めると、自動的に再起動されます。パッケージのインストールが終わった後の「ネットワーク設定」では、「ファイアウォールを使わない」にします。
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画面3 ネットワークの設定 |
必須ではありませんが、インターネットに接続されている場合は、ここで最新パッケージにアップデートすることをお勧めします。
インストールが終わったら、rootでログインします。
SLE VMDPについて、ダウンロードしておいたISOファイルをコピーするか、ここでダウンロードします。「Computer」メニューを表示し、統合管理ツールの「YaST」を起動します。「アドオン製品」をクリックして、ローカルディレクトリを選び、SLE VMDPのISOファイルを指定します。
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画面4 アドオン製品の追加 |
アドオン製品の追加が終わるとパッケージマネージャの画面が表示されますので、ここで「フィルタ」から「パターン」を選んで、「SUSE Drivers for Windows on Xen」にチェックを付け、「了解」ボタンを押してインストールします。
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画面5 SLE VMDPの導入 |
次に、Xenのハイパーバイザが起動時に読み込まれるように設定を行います。YaSTから「ブートローダ」を起動して、「XEN」を「デフォルトに設定」ボタンを押してデフォルトにします。
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画面6 ブートローダ |
最後に、/etc/xen/xend-config.sxpにキーボードマップを日本語として設定します。
keymap 'ja' |
これで準備は完了しました。システムを再起動して、Xenを起動します。
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