/24よりも小さいアドレスブロックの逆引きの設定方法とは 松浦孝康(JPRS) |
/24よりも小さいアドレスブロックの逆引きの設定は、少し複雑になります。
逆引きは、IPアドレスの表記方法を応用して1オクテットごとにDNSにおけるサブドメイン名としていました。
リスト1:DNSにおける逆引きの表記とDNSツリー |
61.120.151.0〜61.120.151.255 の場合 → 151.120.61.in-addr.arpa. (61.120.151.0/24) |
しかしながら、このままでは 61.120.151.64/26(61.120.151.64〜
61.120.151.127) のように第4オクテットが細かく分割されている場合には1オクテットごとにサブドメイン名を付ける方法がうまく適用できません。
そこで、/24 よりも小さいアドレスブロックの逆引きを設定する際には、適当な文字列(注)でサブドメイン名を作成し、その下にそのアドレスブロックの逆引きを設定します。また本来の逆引き(例えば80.151.120.61.in-addr.arpa)にはCNAMEを利用して、その作成したサブドメイン名にポインタを向ける方法を取ります。
言葉で説明するよりも図を見た方が分かりやすいので、次のリスト2を見てください。なお、ここでは 61.120.151.64/26(61.120.151.64〜61.120.151.127) を例に説明します。
リスト2:DNS ツリーにおける /24 よりも小さい逆引きゾーン |
リスト2にあるように、64/26.151.120.in-addr.arpa. というサブドメイン名を作成し、そのゾーンを委任します。
実際に問い合わせが来る逆引き64.151.120.61.in-addr.arpa は、CNAME で 64.64/26.151.120.in-addr.arpa. を指定します。
こうすることで、ユーザーが 61.120.151.64 の逆引きを調べようとするとDNSツリーの上から順に調べていき、また /24 よりも小さいアドレスブロックでもそのゾーンを委任することができます。
以下に上位のネームサーバと、委任を受けるネームサーバの設定方法についてリスト3〜リスト5で説明します。
リスト3:上位ネームサーバのD151.120.61.in-addr.arpaファイル
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64
IN CNAME
64.64/26.151.120.61.in-addr.arpa. (*2) |
委任を受けるネームサーバ側では、逆引きのゾーンとして64/26.151.120.61.in-addr.arpa を設定します。なお、ゾーンファイルは基本的に「逆引きの設定方法とは」で解説したのと同様に設定するだけです。
(*3) 逆引きの委任を受けるネームサーバ側の設定
リスト4:named.confファイル |
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リスト5:(61.120.151.revファイル) |
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(注) なおここでは文字列として“64/26”を用いてサブドメイン名を作成していますが技術的にはどんな文字列でも構いません。また実際にISPに委任してもらう際にはISPが指定するサブドメイン名で設定する必要がありますので、ISPに問い合わせてください。
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