特集
IDE RAID実践導入術【低価格IDE RAIDカード編】
−−IDE RAIDの基礎と導入の実際−−
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以前に比べてハードディスクの信頼性は向上しているものの、常時高速に動く稼働部を持つという宿命から、いまだPCパーツの中では故障の頻度が高いデバイスの1つであることに変わりはない。ハードディスクには貴重なデータが保存されているため、その故障はデータの喪失につながる重要なデバイスである。つまり、ほかのデバイスに比べて、故障時の被害がけた違いに大きいわけだ。そのためシステム管理者としては、ほかのデバイスにも増して、ディスク・システムの信頼性について考慮する必要がある。
そこで注目されているのがRAIDによるディスク・システムの構築だ。これまでRAIDというと、中規模以上のサーバで採用される「高価な技術」という印象が強かった。そのクラスのサーバでは、信頼性とディスクの利用効率の両方とも高められるRAID 5で構築するのが一般的であった*1。しかし、IDEハードディスクが大容量かつ低価格になってきたことから、エントリ・クラスのサーバでも、IDEハードディスクを使ったRAID 1(ミラーリング)を構築する例が増えてきている。もともとRAID 1の仕組みはRAID 5より単純で、そのRAIDコントローラのコストも安い。さらに、最近になって80GbytesクラスのIDEハードディスクが2万円前後で購入可能になるなど、IDEディスクが大容量かつ低価格になってきたことから、エントリ・サーバならばRAID 1でも十分な容量が低価格で確保できるようになってきたことも採用が増えた理由に挙げられるだろう。
*1 例えば容量80Gbytesのディスク4台で構築した場合、RAID 5ならば3台分である240Gbytesの容量がデータ領域として利用できる。つまり、無駄になるのは1台分の容量なので、構築に利用するディスクの台数が増えれば増えるほど、RAID 5の場合は効率が高くなる。 |
そこで今回は、Windows 2000 ProfessionalとIDE RAIDカードによるミラーリングを構築する例を取り上げ、IDE RAIDの基礎を学ぶことにする(Windows 2000 ServerのRAID構築については、回を改めて解説する)。なおRAIDについては、「特集:RAIDの基礎知識」を参照していただきたい。また、IDE RAIDの製品動向などについては、「動向解説:最新IDE RAID事情」で詳しく述べたが、すでにこの記事から1年を経ているので、若干、最新動向を補足しておこう。
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