第4回
サンプルコードで学ぶ「V720シリーズ」のコマンド制御
西村 泰洋
富士通株式会社
ビジネスインキュベーション本部
開発部
担当課長
2007年12月6日
RFIDシステムに必要なプログラムの実装方法はベンダによってクセがある。本連載はRFIDシステムに必要とされるプログラミングスキルを伝授するバイブルである(編集部)
第3回に引き続き、オムロンの13.56MHz帯リーダ/ライタ「V720シリーズ」のプログラミングです。前回の解説で、V720シリーズの特徴は理解いただけたかと思いますので、今回はそのプログラミング例を取り上げます。
オムロン株式会社RFID事業開発部より提供していただいたサンプルプログラムならびにソースコードを基に、シンプルにモデファイしたソースコードを紹介していきます。
オムロン製13.56MHz帯ミッドレンジリーダ/ライタ「V720 BC5C1」 |
ミッドレンジアンテナ「V720 HS01」 |
コマンドフレームとコマンドレスポンスフレーム
プログラミングの解説に入る前に、オムロンのコマンド制御(コマンドフレーム)に関して簡単に復習しておきます。リーダ/ライタは上位機器(PCなど)からコマンドフレームを受信し、正常に受信した場合にはコマンドレスポンスフレームとして処理結果を返します。
コマンドフレームのイメージは以下のようになります。
リーダ/ライタからの戻り値を含むレスポンスフレームは、コマンドフレームにコマンドの実行結果や取得したデータを追加したフォーマットになります。従って、RS-232Cなどのインターフェイスを経由して、PCなどの上位機器からリーダ/ライタにコマンドフレームを正しく送信できればよいということになります。
サンプルで見るコマンドレスポンス
さて、いよいよサンプルプログラムを見ていきましょう。まず、サンプルプログラムの画面を見てください。
Send Dataラベル下のリストボックスから文字列を選択してSENDコマンドボタンをクリックすると、Read Data Logラベル下のリストボックスの[TX:001]に選択した文字列が表示され、[RX:001]には受信したレスポンス結果が表示されます。ここでは、結果としてUIDと受信したレスポンスフレームが表示されています。
この画面では、Send Dataラベル下のリストボックスに、「00RDSTHA0001」とあります。これは、
00 | ノード番号 |
RD | リードコマンド。RFIDタグのメモリからデータを読み出す |
ST | シングル・トリガ。通信範囲内にある1枚のRFIDタグを読み取る |
H | HEXコード(16進法) |
A | ICODE SLIチップ |
0001 | ページ1 |
などを意味しており、2バイトまたは1バイトでコマンドやアクセスメソッドそのほかを定義しています。
オムロン製品では、モード、アクセスメソッド、各コマンドが2バイトの記号で表現されています。上記のサンプルコードと同じく、実際のコマンドフレームでも「RD」や「ST」など2バイトの文字列が送信されます。プログラマ視点でよくよく考えて作られているシステムだと筆者は考えます。
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Index | |
サンプルコードで学ぶ「V720シリーズ」のコマンド制御 | |
Page1 コマンドフレームとコマンドレスポンスフレーム サンプルで見るコマンドレスポンス |
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Page2 ソースコードで見るコマンドレスポンス |
RFIDシステムプログラミングバイブル 連載インデックス |
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